糖質制限③『糖質と脳卒中』

活性酸素は悪玉コレステロールを酸化させ、脳卒中や心筋梗塞を引き起こす動脈硬化を促進する。


■糖質と脳卒中

コレステロールだけでは動脈硬化は起こらない

中高年にとって、気がかりな病気に、脳卒中や心筋梗塞があります。 これは血管が詰まったり、破れたりする病気で、やはり活性酸素が大きく関わっています。 脳卒中や心筋梗塞の直接的な原因は動脈硬化です。動脈硬化は悪玉コレステロールや中性脂肪などの脂質が動脈に溜まり、 動脈を硬くしたり、血液の通り道を狭めたりする症状です。 動脈硬化が進行すると、脳や心臓の血管が詰まりやすくなり、ある日突然、脳卒中や心筋梗塞の発作を起こします。 ただし、誤解してはいけないのは、悪玉コレステロールや中性脂肪そのものが、直ちに動脈硬化を起こすわけではありません。 「悪玉」と呼ばれますが、悪玉コレステロールも中性脂肪も体にとって重要な働きをしています。 しかし、悪玉コレステロールと中性脂肪は、活性酸素と結びつくと過酸化脂質へと変性します。 この過酸化脂質が血管を傷つけたり硬くする原因なのです。 これを防ぐには、やはり無駄な活性酸素を体内で増やさないことに尽きます。 糖質を控えて、ミトコンドリアエンジンをしっかり働かせれば、活性酸素の発生を抑えることができます。


●膵臓は活性酸素の攻撃を受けると糖尿病が発症

活性酸素は国民病といわれる糖尿病にも深く関わっています。糖尿病は、血液中のブドウ糖の量をコントロールするインスリンという ホルモンが不足することが原因です。インスリンを生成するのは、膵臓のランゲルハンス島という部位にあるβ細胞です。 β細胞は活性酸素の攻撃に弱いという性質があり、ダメージを受けると、十分な量のインスリンを作れなくなってしまうのです。