糖質制限⑤『食べてよい糖質』

血糖値を緩やかにあげる玄米や五穀米、イモや糖質を含む野菜は、活性酸素の大量発生を防ぐ。


■食べてよい糖質

高糖質の食事を続けると、病気が増え老化も進む

日本糖尿病学会が推奨するカロリー制限食は、摂取エネルギーの6割を糖質で摂るように指導しています。 しかしここには、「若者と中高年ではエネルギーを作り出すメインエンジンが異なる」という大前提が抜け落ちています。 解糖エンジンがメインの若者には、その燃料となる糖質が必要です。 しかし、50歳以降も高糖質の食事を続けていると、体内に発生した大量の活性酸素によって、細胞が傷つけられ、 癌、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病といった深刻な病気が増え、老化した細胞も増えてきます。 50歳を境に、病気になる人が多くなるのは、メインのエンジンが切り替わった後も、高糖質の食事を続けていることに一因があると考えられます。


●糖質を摂りたくなったら全粒穀物を少量だけ楽しむ

ある人は、糖尿病を克服した後は、朝と夜は主食を完全に抜き、昼食だけお楽しみ程度に、五穀米や玄米を少量食べています。 五穀米や玄米は白米と違って、食物繊維が豊富に含まれています。同じ糖質でも、ゆっくり吸収されるので、 血糖値を一気にあげる心配がありません。血糖値が緩やかに上がると、解糖エンジンが瞬間的に作動し、 活性酸素が大量に作られるのを防ぎます。どうしても主食を摂りたいときは、こうした全粒穀物を選び、少量だけ楽しみます。 一方、白米やパン、うどんなど白く生成された食べ物は避けるようにしてください。高糖質の食事をずっと続けてきた人が、 急にこれらの炭水化物を止めるのは、不安に思うかもしれません。しかし、イモ類や豆類、デンプン質の多いカボチャやニンジンなどの 野菜にも糖質は豊富に含まれています。イモ類や豆類、糖質の多い野菜は食物繊維が多く、糖がゆっくりと吸収されます。 またこれらは腸の健康に不可欠な食品なので、特に控える必要はありません。
こうした食品を食べていれば、解糖エンジンが燃料不足になる心配はありません。 大事なことは、解糖エンジンが瞬間的に働くような白く生成された糖質を避けることです。 それによって、活性酸素の発生が抑えられるのです。