腎硬化症
『腎硬化症』は、高血圧で腎臓が硬変する病気です。
■症状と特徴
腎臓に集まる細動脈の動脈硬化のために血流に障害が起こり、腎臓が萎縮して硬くなり、腎機能が低下する病気です。 腎硬化症には良性と悪性があります。 悪性腎硬化症は、悪性高血圧を引き金として起こり、急激に腎機能を障害して1、2年の間に死亡することが多いとされています。 しかし、現在では、高血圧治療の進歩により、この病気にかかる人はほとんどいません。 良性腎硬化症は、細小動脈の病変が数年にわたって進行し、徐々に腎機能が低下するものです。 高血圧の既往がある中年以上の人に多く、尿検査でたんぱく尿や血尿が出ることによって発見されます。
■原因
腎臓内部の細小動脈の血管壁に線維組織が増えて厚くなり、動脈硬化を起こします。 さらにガラス状の物質がついて動脈の内腔が狭くなります。 結果として、腎臓に送り込まれる血液の量が減少し、腎機能を損なうのです。
■治療
高血圧を治療することが大切です。食事療法として、塩分を1日6g未満に制限し、肥満している場合は摂取エネルギーも控えて運動するようにします。 必要な場合は、併せて降圧薬も用いて血圧をコントロールします。 対処が遅れて腎不全から尿毒症に至った場合は、人工透析を行います。