腎孟癌
痛みはなく血尿で気付く
■症状と特徴
腎盂の表面を覆う移行上皮という粘膜から発生した癌が腎盂癌です。 腎臓にできる腫瘍の約10%を占め、50歳以降の男性に多くみられます。 多くの場合、最初の症状として血尿が見られますが、痛みや熱はありません。 血尿は断続的に起こることがあるため、血尿が止まっても安心せずに、まずは検査を受けることが大切です。 また、血液が凝固して尿管を塞いだり、尿管が癌細胞で塞がれたりすると、脇腹に痛みが生じます。
■原因
尿中の化学物質によって引き起こされると考えられています。 また、癌化を引き起こす癌遺伝子や癌抑制遺伝子との関連も考えられます。
■治療
再発を防ぐために、腎臓から尿管と、尿管周辺の膀胱壁を切除する手術が一般的です。 腎臓から膀胱にかけての手術となるため、開腹手術が必要となることが多くなります。 手術後は縫合した膀胱が尿で開かないように、1週間ほど尿管カテーテルを挿入して尿を体外に出します。 場合によっては尿管の部分切除のみ行われる場合もあります。 また、手術が難しい場合や転移したものについては放射線治療を用いる場合があります。 手術療法の補助療法、あるいは転移癌の根治療法として行われる化学療法では、メトトレキサート、ビンブラスチン、ドキソルビシン、シスプラチンの 4種類の抗癌剤を併用することが一般的です。