副甲状腺機能低下症
カルシウム濃度を低下させる
■症状と特徴
副甲状腺ホルモンの作用が何らかの理由で低下した状態で、血中のカルシウム濃度の低下とリン酸濃度の上昇が起こります。 カルシウム濃度の低下が招く症状が主体で、中でも特徴的なのはテタニー発作です。 これは、手指や足のこわばり、痺れ、顔のひきつれなど、痛みを伴う筋肉の痙攣となって起こる発作です。 他には、情緒不安定やイライラなどの精神症状が出ることもあります。
■原因
副甲状腺ホルモンの分泌そのものが低下している場合と、分泌は正常でも、ホルモンが作用する腎臓などの受容体に異常があってホルモンが作用しない場合があります。 ホルモン分泌の低下は、手術などで甲状腺を摘出した場合に起こる術後副甲状腺機能低下症や、 特定の原因が見つからない特発性副甲状腺機能低下症、ホルモンの作用の低下は、 受容体の異常で起こる偽性副甲状腺機能低下症などが原因として考えられます。
■治療
血中カルシウム濃度を正常に戻し、その値を維持するために、活性型ビタミンD剤やカルシウムを服用します。 原因となるホルモンの作用低下は根治できないため、これらの薬を生涯飲み続けることになります。