高カルシウム血症
口の渇きや尿量を増加させる
■症状と特徴
初期症状は尿量増加や口の渇きで、悪化すると吐き気、腹痛、食欲低下、筋力低下、倦怠感、意識障害などが起こります。 重度の場合は、不整脈や 心停止による突然死の危険性もあるので注意が必要です。 また、病状の進行具合によっても症状が異なり、進行が急速な場合は脱水による腎機能障害、ゆっくり進行する場合は 尿路結石や 骨粗鬆症が起こります。 血液中のカルシウム濃度が10.2mg/dL以上に上昇した状態です。血液中に存在するイオン化カルシウムが増加すると、症状が現れます。
■原因
最も多いのが悪性腫瘍で、4~5割を占めます。 次に多いのが副甲状腺機能亢進症で、1~2割ほどです。 そのほかには、ビタミンD過剰症、急性腎不全、 甲状腺機能亢進症、サルコイドーシスなどによってもカルシウム濃度が上昇します。
■治療
原因となっている疾病の治療を第一に行います。 緊急の措置が必要なのは、カルシウム濃度が12~13mg/dL以上に急上昇場合です。 その場合はまず脱水症状を改善し、利尿薬を服用して尿中へのカルシウム排泄を促します。 それでも症状がよくならない場合は、骨吸収抑制薬やステロイドを服用します。