褐色細胞腫

副腎髄質にできる腫瘍


■症状と特徴

脈を打つような頭痛を伴って血圧が上昇し、ひどいときには意識を失うこともあります。 主な症状は、頭痛、動悸、発汗、体重の減少、高血圧、高血糖、手足の冷え、不整脈、便秘などで、これらが持続的に起こる場合と、発作的に起こる場合があります。 片側の副腎の髄質に腫瘍が発生します。ほとんどが良性ですが、悪性の場合もあります。 また、約1割の確率で左右両方の副腎に発生することもあります。 腫瘍が副腎髄質以外の場所にできる場合や、家族性の場合もそれぞれ1割ほどあります。男女差や年代差はありません。


■原因

主に副腎髄質にできた腫瘍から自律神経に作用するホルモンであるカテコールアミン(アドレナリンやノルアドレナリン)が過剰に分泌されることで発症します。


■治療

まずは降圧薬(交感神経α遮断薬)を使用して血圧を正常に整え、その後手術で腫瘍を摘出します。 良性であれば摘出で治癒しますが、悪性の場合は化学療法や放射線療法を行います。 初めの診断が良性であっても、後に転移することがあるので長期的に経過を観察する必要があります。