低カルシウム血症
手足の痺れを招く
■症状と特徴
カルシウムは骨に蓄えられ、
必要に応じて血液中に供給されますが、尿に排泄される量が多過ぎたり、骨から血液へ移動しなくなると濃度が下がり、
血液中のカルシウム濃度は8.5mg/dL以下に低下します。
カルシウム濃度が6.0~6.5mg/dLにまで下がると、手指や足に痺れやテタニー発作(筋がつるような痛みを伴う痙攣)が起こります。
症状が強いときは痙攣が全身に及ぶこともありますが、命にかかわる危険性はありません。
血液中に存在するカルシウムにはたんぱく質に結合しているものとしていないものとがあります。
結合していないものをイオン化カルシウムといい、この量が減少すると症状が現れます。
ネフローゼ症候群や
肝硬変を患っている人、高齢者など、
血液中のたんぱく質濃度の低い人は、低カルシウム血症を併発していることがあります。
これは、血液中のたんぱく質が減ることによって、たんぱく質に結合するカルシウム量が減少し、結果、血液中の総カルシウム量が減ってしまうからです。
ですが、イオン化カルシウム濃度は変化しないので、症状は現れません。
■原因
副甲状腺機能低下症やビタミンD欠乏症、 腎不全、 急性膵炎などの疾病のほか、抗痙攣薬の使用、 カルシウムの摂取不足などでも濃度が低下します。
■治療
痺れやテタニー発作が現れたときは、早急にカルシウム剤を静脈注射する必要があります。 症状が軽い場合は、カルシウム剤やビタミンD剤の服用で対処します。