■血圧の診断基準はどのようにして決まるのですか?

【答】

我が国の血圧のガイドラインは、日本高血圧学会がWHO(世界保健機関)やISH(国際高血圧学会)の策定した基準に基づいて決めています。 そのため、高血圧の診断基準は、世界の臨床研究の成果を反映しながら少しずつ変化しています。 昔は、最大血圧が「年齢+90」以上で高血圧と診断されました。 しかし、1972年に最大血圧160ミリ以上、、最小血圧95ミリ以上のどちらか、あるいは両方を満たしていることが高血圧の新たな 診断基準となったのです。さらに、1999年には最大血圧140ミリ以上、最小血圧90ミリ以上に変更され、基準がより厳しくなりました。 加えて、2004年には正常高値高血圧が設けられ、最大血圧130ミリ以上、最小血圧85ミリ以上で高血圧の予備軍と見なされるように なっています。

これらは、国際学会のガイドラインと歩調を合わせながら変更されてきました。 では、なぜ基準を下げる必要があったのでしょうか。それは軽症高血圧(最大血圧140~159ミリ・最小血圧90~99ミリ)のうちに 治療すると健康で長生きできることが、多くの研究でわかったからです。 近頃、WHOやISHは、診断基準を一層厳しくし、最大血圧120ミリ未満・最小血圧80ミリ未満がベストと表明しています。 日本のガイドラインでも、至適血圧としてその考えが反映されています。