■高血圧と診断されたらすぐに降圧薬を飲まなければいけませんか?

【答】

健康診断により血圧が高いとわかり、詳しい検査などを受けて高血圧と診断されたら、治療が必要になります。 この時、基本となるのは生活習慣の指導です。血圧が著しく高い人は降圧薬が処方されることもありますが、 たいていの場合、最初は生活指導だけが行われます。 降圧薬を使えばすぐに血圧は下がりますが、高血圧治療の目的は、血圧を下げるだけでなく、 脳卒中や心筋梗塞などの怖い合併症を防ぐことにあるため、生活習慣の改善が欠かせないというわけです。 もし、最初に降圧薬が処方されたというなら、血圧が著しく高い状態にあり、 生活習慣も早急な見直しが必要であると考えるとよいでしょう。 生活習慣の改善の大きなポイントは二つあります。それは運動習慣をつけることと塩分減らしなどの食事制限を行うこと。 まず運動について述べましょう。

運動の利点としては、血圧を上げる原因となるストレスと体脂肪を減らすこと、そして体の末梢血管を拡張させて血圧を下げること、 などがあります。運動はさまざまな面で血圧を下げようと働いてくれるのです。 もちろん、すべての運動が血圧を下げるのに役立つとはいえず、ウェイトトレーニングなどの息を止めて 一気に力を出すような運動では、血圧を上げてしまいます。血圧を下げるためには、速足歩きやサイクリング、 水泳といった呼吸を止めず、無理のない範囲内で全身の筋肉を動かせる運動が適していまっす。 なお、運動を取り入れてもすぐにその効果が現れるわけではないので、長続きしない場合もあります。 そうした人は、それまで利用していたエスカレーターをやめて階段を使う、ペットの散歩に行くなど、 できる範囲内で歩く量を増やすことを心掛けてください。 こうしたことでも、長い目で見れば血圧の低下につながります。

次に、塩分を減らす食事法について述べます。塩分は血圧を上げてしまうため、 基本的には一日の食塩摂取量は6g以下にすることが大切です。 だいたいの人は、食塩を一日11~14g摂っているとされ、一日にとる塩分量を半減させる必要があります。 摂取塩分について、厳密な塩分計算が必要になります。塩分計算をしなくても、塩辛いものを避ける、醤油やソースの使用を控える、 インスタント食品や加工食品を食べないようにする、ラーメンやうどんの汁を飲まない、 などを心がければ一日の摂取塩分量が少なくなります。 そのほか、禁煙を心がけることも高血圧の低下に必要です。

▼関連項目
『ウォーキング(歩いて血圧改善)』
『減塩食で血圧を下げる』