■高血圧は遺伝しますか?

【答】

遺伝は高血圧の発症に少なからず関係しています。 両親のうちのどちらかが高血圧の場合、子供が高血圧を発症する確率はおよそ30%、 両親がともに高血圧の場合は子供の発症率は50~70%になるといわれています。 親が高血圧だと子供も高血圧になりやすいのは確かです。ただ、だからといって高血圧の両親を持つ人が、 今述べた確率そのままに高血圧を発症するかというと、実はそうではありません。 というのも、高血圧は、遺伝的要因に環境要因が加わって初めて発症するものだからです。 環境要因とは生活習慣のことで、具体的には塩分の摂り過ぎ、食べ過ぎによる肥満、運動不足、ストレス、飲酒、 喫煙などが挙げられます。中でも大きく影響しているのが塩分の摂りすぎです。 特に塩分に敏感に反応して血圧が上がる「食塩感受性」という体質を備えた人では、 塩分の影響を受けやすくなります。これは先ほど述べた遺伝的要因にも関係することで、高血圧が遺伝するということは、 食塩感受性を親から受け継ぐということだと考えられています。 「親が高血圧だから自分が高血圧になるのは当然だ」とあきらめるのではなく、減塩はもちろん、 適度な運動を習慣にしてダイエットに励んだり、禁酒禁煙を実践したりして、高血圧の予防や改善に努めるようにしましょう。

▼関連項目・関連サイト
『食塩感受性と食塩非感受性』
『運動不足解消』
『禁煙』