ふくらはぎマッサージで血流改善

ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、血流が滞りやすい場所です。 また、年を取るにつれ、どんどん硬くなってしまい、ますます血流が悪くなっていきます。 ここをマッサージすると、強力なポンプ作用で血流がよくなり、血液が心臓に戻りやすくなります。


■血管年齢

血管年齢は、若返らせられる!

私たちの体内では、絶えず血液が循環しています。 心臓から送り出された血液は、動脈を通って体の隅々まで栄養分や酸素を運ぶのです。 本来、動脈は伸縮性と弾力性を持った血管です。 しかし、加齢やさまざまな要因によって、この動脈が徐々に柔軟性を失い、血管壁が硬くなったり厚くなったりして、 血管の内腔が狭くなる現象が起こってきます。 これが、「動脈硬化」です。

では、自分の血管がどれくらい老化しているか、動脈硬化の進行度を知るためには、どうすればよいのでしょうか。 この血管の状態を知る手掛かりとして、最近注目されているものが「血管年齢」です。 これは血管自体の年齢を示す指標で、動脈硬化の進行度がわかる新しい尺度です。 大きな病院へ行けば、専用の検査装置を使って、血管年齢を測ってもらえるでしょう。 もしも血管年齢が、自分の実年齢よりも20歳以上も高かったら、大問題です。動脈硬化が進行している疑いがあります。 きっと、血圧も高いのではないでしょうか。

血管年齢が高い人は、医師に相談することも大事ですが、自助努力も大切です。 血管年齢は、いったん老化したら、そのまま戻らないわけではありません。 生活習慣を見直し、日常生活の上で工夫を重ねることで、若返らせることも可能です。 それが動脈硬化を予防し、高血圧を改善することにもつながります。 ここでは、そのために役立つ方法の一つを紹介しましょう。 それが「ふくらはぎの運動やマッサージ」です。


■ふくらはぎの運動やマッサージ

かかとを上げ下げする運動も効果的

そもそもふくらはぎは、昔から「第二の心臓」とも呼ばれてきました。 全身の血液循環においても、非常に重要な位置を占めています。 その重要性を証拠づけているものが、ふくらはぎの動脈にある「静脈弁」です。 血液を体の隅々まで送り込む役割を果たす動脈には、そもそも弁がありません。 ですから、静脈にだけ弁が存在するのですが、といっても、どの静脈にもあるわけではなく、 実は静脈でも、弁のある場所は限られています。その数少ない弁のある場所が、ふくらはぎです。

ふくらはぎの筋肉には、「腓腹筋」「ヒラメ筋」の2つがありますが、足先から心臓へ帰っていく静脈は、 この2つの筋に挟まれています。この部分の静脈には「ハ」の字の形をした静脈弁がついているのです。 血液が、ハの字を下から上へと通ると、ハの字の弁が蓋となり、通過した血液が戻らないようになっているのです。 心臓から見れば、下方に位置する足に血液がたまったままでは、全身の血液循環がスムーズに行えません。 だからこそ、ふくらはぎのところで静脈血が逆流しないように、わざわざ弁がついているわけです。

つまり、ここの静脈に弁があることも、ふくらはぎが「第二の心臓」として、全身の血液循環を促す重要な役割を担っていることを 示しているといってもいいでしょう。例えば、かかとを上げると、ふくらはぎの筋肉に圧迫されて静脈は狭まります。 反対に、かかとを下すと、ふくらはぎの筋肉の圧迫が解けて、静脈は解放されて拡張します。 これを繰り返すと、ふくらはぎの筋肉のポンプ作用で、静脈血が下から上へ押し上げられて心臓へ帰っていきます。 歩くと、このポンプ作用で血液循環が促されるわけですが、仕事が忙しくて、なかなか歩く暇がなかったり、 運動不足だったりする人は、例えば、入浴中の湯船の中で、ふくらはぎをマッサージしてみましょう。

よく、ふくらはぎを揉む際には、下から上の方向へ揉みほぐす方がいいといわれます。 しかし、実はこれはナンセンスな話です。下から上へ揉んでも、効果は同じです。 というのも、ふくらはぎには、血液が逆流しないように静脈弁がついているからです。 ですから、湯船に入っている間、方向を気にせず、ふくらはぎをよく揉みほぐしてください。 入浴中は、体が温まっていますから、血流改善効果はより高くなっているはずです。 第二の心臓であるふくらはぎには、強力なポンプ作用がありますから、入浴中に湯船の中で、ふくらはぎを揉むだけでも、 全身の血流を大きく促す効果があるでしょう。

他に、ふくらはぎを使うという意味では、立った姿勢で、かかとを上げ下げする運動を繰り返したり、 仰向けに寝た姿勢でつま先を自分の顔の方向へそらせたりするトレーニングも効果的です。

動脈硬化を予防し、血管年齢を若返らせて、高血圧を改善するためには、バランスのとれた食事をすることや、 適度な運動をすること、禁煙、よく眠ることなども、ぜひ心がけてください。 それに加えて、こうしたふくらはぎのマッサージや運動を活用すれば、大きな健康効果が期待できるでしょう。