血液年齢とは?

血液年齢とは、健康診断の数値から算定する血液の若さを示す指標で、 血管や内臓の若さを左右するといわれています。脳卒中・心臓病の予防には血液年齢の若返りが重要です。 また、血液年齢は血液ばかりか内蔵の若さも映し出す鏡で、若ければ万病を退き老化も防げる、ともいわれています。


■血管年齢

高齢者の死因の第一位は血管病

日本人の三大死因は、癌・心臓病・脳卒中。このうち、第一位の癌による死亡者数が抜きん出て多いことから、 恐ろしさが際立っているような印象を与えます。しかし、よく考えてみてください。 日本人の死因の第二位、第三位の心臓病と脳卒中は、いずれも 動脈硬化が主原因の血管病です。 厚生労働省の死因統計によれば、心臓病と脳卒中を合わせた血管病は、第一位の癌に匹敵します。 しかも、年代別に死因を見ると、高齢者の死因の第一位は、実は心臓病と脳卒中を併せた血管病となっています。 本当の意味で長寿社会を実現するためには、中高年の血管をいかにして若く保つかが、今、とても重要な課題となっているのです。

血管の若さに無関心でいれば、ある日突然、脳卒中や心臓病といった重大な血管病に襲われかねません。 そのため、「血管年齢」という言葉まで生まれています。 血管年齢とは、血管の老化度、つまり動脈硬化がどれだけ進んでいるかを示すものです。 また、血管年齢を調べるために「加速度脈波形検査」「頚動脈エコー(超音波)検査」、 手首と足首に血圧計をつけて計測する検査法などが登場しています。 加速度脈波形では、指先の血管に伝わる心臓の拍動をコンピューターで波形(脈波)にして示し、 その波形から血管壁の状態を推測して、血管年齢を測定します。 頚動脈エコー検査とは、人体に無害な超音波を使って、首筋を走る頚動脈の血管壁の状態を観察する検査法のこと。 これによって、全身の血管年齢を推測します。また、血圧測定でも血管年齢を調べられます。 手首と足首の血圧を測定し、その日から血管の弾力や動脈硬化の進み具合を判定するのです。

これらの検査法は、いずれも動脈硬化の進行度を的確につかむのに非常に役立ちます。 現在も多くの医療機関で採用され、心臓病や脳卒中の早期発見に大きな力を発揮しています。


■血管の老化は血液の老化が招く

動脈硬化の魔の手から逃げ切るためには、血管の若さを知るだけでは、まだ十分とはいえません。 血管を道路に例えると、血液は酸素や栄養など大事な物資を運ぶ輸送車です。 道路だけでなくこうした輸送車の状態を把握しておくことも大切なのです。 例えば、たくさんの物資を運ぼうとしても、輸送車がパンクして前に進まなくなったらどうでしょうか。 もちろん、輸送車の運ぶ物資が緊急を要さないものであれば、多少遅れても問題はないかもしれません。 しかし、酸素と栄養は、臓器の細胞が生きていくには欠かすことのできないもの。 遅延は絶対に許されません。酸素や栄養を運ぶ輸送車である血液が通わなくなった状態を、 専門的には「虚血」といいます。この虚血が起こると体の臓器は大きなダメージを受けます。 この状態に耐えられる時間は臓器によって差があり、脳で4分、心臓で3~4時間。 この時間を越えてしまうと、臓器の細胞に壊死が起こります。 その結果、生命の維持が難しくなり、死を逃れたとしても後遺症に苦しむことになるのです。 それが心臓病や脳卒中といった病気です。 したがって、血管の状態ばかりではなく、血液の状態にも重大な関心を払わなければなりません。

●血液年齢を知れば、動脈硬化が防げる

人が老化するのは避けられない道ではありますが、その道を猛スピードで進むか、ゆっくり進むかは、その人の考え方次第です。 なぜなら、全身の最大の原因は、動脈硬化にあるからです。 血液年齢を知れば、どうしたら血液の若さを取り戻し動脈硬化をストップできるか、その秘訣がわかってきます。 それを知らずに動脈硬化の進行を放置すると、心臓や脳に限らず、全身の臓器の老化を簡単に許してしまい、 脂質異常・高血圧・糖尿病・脂肪肝・腎臓病・痛風・貧血など、ありとあらゆる病気を招きやすくなります。 中でも厄介なのが糖尿病です。これを放置しておくと全身の血管と神経が冒され、心臓や脳の血管だけでなく、 目や腎臓にも障害が起こりやすくなります。自分の血液年齢を知ることは、全身の老化にストップをかける第一歩となるのです。


■健康診断の結果に血液年齢は現れる

突然死も招く心臓病や脳卒中を防ぐためには、まず、血液の若さを示す血液年齢を知って、自分の健康に日ごろから 関心を持つことが大切です。そしてもう一つ大切なのは、血液年齢は単に血液や血管の若さだけでなく、 肝臓や腎臓など内蔵の若さを知る指標にもなること。つまり、血液年齢を調べたときに実年齢を上回っていたら、 動脈硬化が進んでいるだけでなく、脳や心臓のほか肝臓や腎臓などの臓器にも、重大な病気を招く危険が大きいと考えられます。 その意味でも、自分の血液年齢を知っておくことは、大変重要です。 では、自分の血液年齢は、どうすればわかるのでしょうか。 実は血液年齢は、自治体や会社の健康診断の結果をもとに、誰でも簡単に算定できるのです。

血液年齢の具体的な算出の仕方については後述しますが、まず、その前段階として、 健康診断の項目から17の検査項目を選定し、それを次の6つのグループに分けます。 それぞれの項目がどんな意味を持つのかを知っておきましょう。

▼脂質
LDL(悪玉)コレステロール値が高い、HDL(善玉)コレステロール値が低い、 あるいは中性脂肪値が高いと、脂質異常症と診断されます。 これは動脈硬化を著しく進行させる大きな原因になります。
【関連サイト】
『脂質異常症』

▼血糖
血液中に余分な糖があると、動脈硬化が進みます。空腹時血糖が高く、ヘモグロビンA1cも高ければ、 血液中の糖の過剰な状態が1~2ヶ月は続いていることを意味します。
【関連サイト】
『高血糖症』

▼肝・膵機能
肝臓に障害があれば、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPが高くなります。 また、アミラーゼが高ければ、膵臓に障害のある可能性が大きくなります。 肝臓や膵臓に異常があれば、血液中に余分な脂肪や糖が増えることになり、動脈硬化が進行します。

▼腎機能
腎臓の障害が進むと、尿素窒素、クレアチニンなどが血液中に増えます。 これらの検査値に異常が認められたら、腎臓の動脈硬化が原因であることが少なくありません。

▼貧血
赤血球が小さくなったり、数が減ったりすると、ヘモグロビンやヘマトクリットも低下し、貧血が疑われます。 また、血小板の減少は、出血しやすい状態を示し、原因として何らかのアレルギーの可能性もあります。 これらは、栄養の摂り方に問題のある場合が多いと考えられます。

▼血圧
血圧が高くなると、血管壁に大きな負担がかかり、動脈硬化の進行を著しく早めます。