高コレステロール・高血圧症対策に『キチン・キトサン』
『キチン・キトサン』は、カニの甲羅やエビの殻などに含まれているキチンから抽出された食物繊維です。 他の物質にはない強力な吸着力がある食物繊維で、コレステロール値を下げたり、血糖値の上昇を緩やかにしたり、 余分な塩分を体外に排出して血圧を下げたりする効果があるとされています。 また、からだの免疫力を高めることができるとも言われ生活習慣病予防にも役立つといわれています。 さらに、おなかの中で吸着を繰り返すごとに膨張するので満腹感を得ることができ、 植物性の繊維と同様に便秘対策やダイエットの補助をします。
■「キチン・キトサン」とは?
『キチン』(chitin)は、直鎖型の含窒素ムコ多糖類の一種で、 ポリ-β1-4-N-アセチルグルコサミンのことです。 『キトサン』(chitosan) はキチンを化学処理(脱N-アセチル化)して精製したした物質で、 ポリ-β1→4-グルコサミンのことです。キチンとキトサンを総称して『キチン質』といいます。 キチンとキトサンとの間に明確な境界線はありませんが、脱アセチル化が70%以上のものをキトサンと呼ぶのが一般的です。 「キチン質」は、カニやエビなどの甲殻類の殻、イカなどの軟体動物の殻皮の表面、 昆虫など節足動物の外皮といった多くの無脊椎動物の体表を覆うクチクラや、 キノコなど菌類の細胞壁などの重要な成分を成しています。
「キチン質」は20世紀後半まではあまり研究が進んでいませんでしたが、研究が進むにつれ、 精製したキチン質つまり「キトサン」には他の物質にはない強力な吸着力があることが分かりました。 その吸着力は、脂肪、重金属、アルコールなどをゲル状に固めてしまうほど強力です。 また、「キトサン」は、プラスに帯電した唯一の食物繊維であることが判明し、 「コレステロールが高めの方に適した食品」として特定保健用食品(トクホ)で認められたものがあり、 免疫強化、高脂血症の改善などに効果があるといわれています。 ただし、ヒトでの効果は十分には検証されていません。
さらに、キチンを酸加水分解して得られる「グルコサミン」は、アメリカなどでは医薬品として認められています。 現在、神経再生や皮膚再生など再生医療素材としての応用が進んでいますが、精製された高品質なキトサンを膜や繊維、 スポンジにして、医療分野での用途にも利用可能です。
「キトサン」には、高分子不溶性キトサン、低分子水溶性キトサン、高分子水溶性キトサン、天然高分子キトサンなどがあります。
■キトサンのパワー!!
プラスイオンを帯びている「キトサン」は、コレステロール値や血圧値を下げるといった、
他の食物繊維にはない効果を発揮するといわれています。
まず、食後「キトサン」を摂ると、血液中のコレステロール値が下がります。
消化液の胆汁酸には肝臓でつくられたコレステロールが使われますが、
消化のためにいったん十二指腸に放出された胆汁酸は通常小腸で吸収されるため、
血液中のコレステロール値は上がります。
しかし、プラスの電気を帯びたキトサンが胆汁酸と混じると、これを吸着してゲル状に固め、
そのまま便として排泄されます。その結果、コレステロール値が下がると考えられます。
さらに、周囲にある脂肪分も一緒に固まり、食べた脂肪もどんどん放出されます。
「キトサン」には腸内の有用菌を増やす働きもあると言われており、
ダイエットにも効果があると言われているのはそのためです。
また、「キトサン」は、マイナスに荷電する塩素も吸着するので、
血圧が高めの方にはとても相性がよい食品です。