高血糖・糖尿病対策食品「低GI食品」

普段の食事で糖質を摂取すると、血糖値が上昇します。 血糖値の上がり方は、摂取する糖質の種類によってさまざまです。 この血糖値の上がり方を数値に表したのがGIと呼ばれるもので、 GI値が高いほど食後の血糖値上昇が大きく、 低いほど食後の血糖値上昇が小さくなり、インスリンの分泌量を抑えられるとされています。 GI値とは、グリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略であり、直訳すれば血糖指数となり、 糖質摂取後の血糖値の上昇する速さを表した指標です。 つまり、低GI食品とは、摂取後の「血糖値の上昇が遅い食品」ということになります。 近年では、このGI値に着目した低GI食品を活用した食事療法『糖質制限食』を 糖尿病対策に取り入れる動きがあります。


■「低GI食品」とは?

GI値の低い食品は、血糖値の急上昇を防ぐ

食事を摂って血糖値が上昇すると、膵臓からインスリンというホルモンが分泌され、血液中の糖は各細胞へ エネルギー源として取り込まれます。すると、血糖値は徐々に下がって元の値に戻ります。 しかし、食後の血糖値が急激に上昇すると、インスリンの分泌量が過剰に増えて、しだいに膵臓が衰えてしまいます。 それが、糖尿病につながるのです。 こうしたことから、糖尿病を予防・改善するには、食後の血糖値の急上昇を防ぐのが大切です。 そのために有効なのが血糖値の上昇を防ぐ『GI(グリセミック・インデックス)値』が低い食品、 すなわち『低GI食品』を活用することです。 GI値とは、食後に血糖値が上がりやすい食品かどうかを示す指標のことで、 白飯を摂取したときの血糖値の上昇率を100として比較し、その数値が高いほど血糖値が上昇しやすい食品ということになります。


■主な主食のGI値


食品名 GI値 1食あたりの分量 1食あたりの糖質量
白飯 100 1膳(200g) 72
白パン 92 2枚(100g) 44
おかゆ 99 1杯(250g) 39
うどん 58 1杯(280g) 58
そば 56 1杯(200g) 48


■血糖値の急上昇を抑える食品や食べ方

ネバネバ成分のムチンは、糖の吸収を遅らせる

次のような食品や食べ方の工夫が、食後の血糖値の急上昇を抑えるのに役立ちます。

▼食事は野菜やキノコから食べる
まずは、食事を食べる順番についてです。食事の際は、最初に野菜やキノコなど食物繊維の豊富な食品を摂り、 食事の中ごろに肉や魚のようなたんぱく質の多い食品、後半でご飯やパンといった炭水化物、 という順番で食べるといいでしょう。なぜなら、食物繊維が豊富な食品は糖の吸収を抑えてくれるばかりか、 GI値も低いからです。そのため、食事の最初に野菜を食べておけば、その後の食事による血糖値の上昇が緩やかになります。

▼白米は酢飯にする
食べ物の組み合わせや調理法によってもGI値を低くすることができます。 例えば、白飯に酢をサッとひと振りして酢飯にすると、ふつうの白飯よりGI値は低くなります。 これは、酢の酸味のもとになる酢酸に、食べ物を胃から小腸へ送り出す時間を遅くして糖の吸収を緩やかにする作用があるためです。 これと同じ理由で、揚げ物にレモンをかけたり、酢の物をメニューに加えたりすることも効果があります。 このほかにも、主食を摂る前に、味噌汁やお吸い物、スープなどの汁物をたっぷり摂ったり、 牛乳やヨーグルトなどを前もって食べたりするのもいい方法です。

▼献立にネバネバ食品を加える
食事の献立に納豆や海藻、オクラやモロヘイヤといったネバネバした食品を取り入れることも有効です。 こうした食品に含まれるネバネバ成分はムチンといい、食事に含まれるブドウ糖を包み込んで吸収を遅らせてくれるからです。