ゴーヤー

ゴーヤーには、血糖値や血圧を下げる働きをする「モモデルシン」、 インスリンと似たような働きをする「コロソリン酸」「ポリペプタイドP」、 インスリンの分泌を促し血糖を下げるとされる「チャランチン」などが含まれています。 これらの成分が複合的に働いて、血糖値の上昇を抑えるのではないかと思われます。


■ゴーヤーとは?

「ゴーヤー」(ニガウリ)の健康食品には粉末やお茶など幾つかのタイプがあり、利用されてきました。 漢方でも、ニガウリから抽出されたエキスには糖分の分解を促進してエネルギーに変えたり、 腸管からのブドウ糖吸収を抑えるとされ、ニガウリの糖尿病への利用は古くからあります。 漢方で使われるニガウリは栽培しやすいように品種改良されたものではなく、東南アジアなどの原生種に近いものが用いられます。

ゴーヤーの苦味の成分の「モモルデシン」には、血糖値や血圧を下げるなどの効果があると考えられています。 また、ゴーヤに含まれている「コロソリン酸」「ポリペプタイドP」という成分は、 植物インスリンとも言われ、その名の通り、インスリンと似たような働きをする性質を持っています。 コロソリン酸の優れているところは、血糖値を安定させても低血糖は起こさないというところ。 糖尿病治療で打つインスリンの場合は、低血糖を起こすこともありますから、 その点では、植物インスリンと呼ばれるコロソリン酸の方が安心できるのかもしれません。 また、ゴーヤには「チャランチン」という成分も含まれていて、これがインスリンの分泌を促し、血糖を下げるとされています。 さらに、ビタミンCにも、 血糖値を下げるインシュリンを活性化する効果があるといわれています。 これらの成分が複合的に働いて、ゴーヤーは血糖をコントロールするのに役立つと考えられます。


■ゴーヤーの含有成分

▼モモルデシン
ゴーヤーの苦味の成分の「モモルデシン」には、血糖値や血圧を下げるなどの効果があると考えられ、注目されています。

▼チャランチン
ゴーヤーには「チャランチン」という成分が含まれています。 この物質は、血糖値の上昇を抑えるホルモンと似た働きをすると考えられています。 私たちが食事をすると、食べ物に含まれている糖質が ブドウ糖となって血液中に吸収され、血糖値が上昇します。 すると、膵臓からインスリンが分泌され、血糖値を下げる働きをしますが、インスリンの分泌が不足していたり、働きが不十分だと、血糖値が高い状態になります。 これが慢性的に続くのが糖尿病です。チャランチンには血糖値の上昇を抑える働きがあるため、高血糖が気になる人におすすめです。

▼ポリペプタイドP
フィリピンに「アンバラヤ」というものがあり、糖尿病によく効くそうです。 この「アンバラヤ」実は・・・「ゴーヤー」のことなんです。 「ゴーヤー」に含有される「ポリペプタイドP」という成分は、インスリンと似た効果を持ち、 膵臓への負担を軽くして、血糖値を下げ、血をキレイにする働きがあります。

ビタミンC
ゴーヤーには疲労回復や抗ストレス効果のある「ビタミンC」が豊富に含まれています。 その量は100g(約1/2本)あたり76mgで、レモンの2.7倍、キャベツの4倍に相当します。 ビタミンCには、皮膚、血管などの成分であるコラーゲンの合成を助ける働きがあります。 コラーゲンは細胞と細胞の間を埋める接着剤のような役割をしているため、血管を健康に保つ効果が期待できます。 また、ビタミンCには強い抗酸化作用があるため、 紫外線ストレスなどによって体内に発生した 活性酸素を撃退する働きがあり、 風邪などの病気を防いだり、老化を遅らせる効果が期待できます。 しかも、ゴーヤーに含まれるビタミンCは、熱で壊れにくく、油で炒めてもほとんど壊れないので、非常に健康効果が高いとされています。 また、ビタミンCには、血糖値を下げるインシュリンを活性化する効果もあるといわれています。

共役リノール酸
地中海沿岸に住む人々には生活習慣病になる人が少ないといわれています。 それは、その地方の人々がオリーブオイルを多食し、オリーブオイルには「共役リノール酸」がたっぷり含まれているからだそうです。 そして、ゴーヤにも共役リノール酸が多量に含まれているので、同様の効果が期待できます。 共役リノール酸は、遊離脂肪酸が脂肪に再合成されるのを阻害する働きがあり、 血液中の中性脂肪やコレステロール値を下げる作用により、ダイエット効果も期待できます。 そのため、ゴーヤーの種を使ったゴーヤー茶は、油物が好きな人やダイエット中の方に愛飲されています。 共役リノール酸はゴーヤーに特徴的な成分で、共役リノール酸を多量に含む食材は、ゴーヤー以外にはなかなか見あたりません。

カリウム
減塩をすれば高血圧に良い効果が期待できます。カリウムは余分な塩分を排出してくれる重要なミネラルで、 高血圧にはカリウムを多く含む食材を摂ることが大切です。ゴーヤーには、緑茶の4倍ものカリウムが含まれています。

カルシウム
カルシウムが不足するとホルモンの作用で血管が収縮し血圧が上がり高血圧になります。 高血圧には血管の収縮を抑える重要なカルシウムを摂る事が大切ですが、理想のカルシウム摂取量を摂る事が出来ていないのが現状です。 ゴーヤーには、青梗菜の2倍のカルシウムが含まれています。

▼一酸化窒素
ゴーヤーを食べると体内で「一酸化窒素」が発生し、一酸化窒素は血管を拡張して血圧を下げます。

▼蛋白MAP30
ゴーヤーには「蛋白MAP30」が含有され、癌細胞を攻撃するナチュラルキラー細胞を活性化させ癌細胞の増殖を抑制します。