便秘解消に『スンキ』

日本人の腸内環境にピッタリ合う植物性乳酸菌の宝庫で、便秘が素早く治ると『スンキ』が評判になったことがありました。 スンキ(スンキ漬け)とは、長野県の木曽地方に伝わる伝統の漬け物で、晩秋に収穫される赤カブの葉を植物性乳酸菌で発酵させたもので、 塩を全く使用しないで作るのが特徴です。 スンキは、日本人の体質に合うとされる植物性乳酸菌が豊富に含まれていることもあり、今では木曽地方だけでなく、全国的に有名になっています。


■「スンキ」とは?

長野県木曽地方の塩を使わない漬け物

便秘を予防・改善する善玉菌として、乳酸菌が人気なのはご存知かと思います。 スーパーやコンビニエンスストア、食料品店などにも、乳酸菌飲料やヨーグルト、チーズなど、乳酸菌入りの食料品が多く並んでいます。 このように、乳酸菌と言えば、私たちはヨーグルトやチーズに含まれる乳酸菌を思い浮かべますが、 これらは「動物性乳酸菌」と呼ばれるものです。実は乳酸菌には動物性乳酸菌のほかに 「植物性乳酸菌」と呼ばれる種類があるのです。 植物性乳酸菌とは、野菜や米・豆腐などの植物性素材を発酵させた食品に含まれる乳酸菌のこと。 日本人はもともと、日本の伝統食である漬け物や納豆・味噌・醤油などの発酵食品に含まれる植物性乳酸菌を、毎日のように摂っていました。 しかし、食生活が変化するにつれて、動物性乳酸菌の摂取が増えてきました。 一般的に、動物性乳酸菌は、環境のいい場所でしか生きられないという性質があると言われます。 それに対して、植物性乳酸菌は、酸や塩分の多い過酷な環境で育ってきたため、抜群に強い生命力を持っているとされています。 そんな植物性乳酸菌は腸内で生き抜く力も強く、腸内環境を正常に保つ働きも優れていると考えられます。

そのような性質を備えた植物性乳酸菌を含む食品の中で、特に注目すべき食品があります。 それが、長野県の木曽地方の伝統的な漬け物『スンキ』です。 スンキとは、晩秋に収穫される赤カブの葉を植物性乳酸菌で発酵させた漬け物で、塩を全く使用しないで作るのが特徴。 酸味が強く、独特な味覚が楽しめるため、年々人気が上昇しています。 そもそも木曽地方では「米は貸しても塩貸すな」という言葉が伝えられていたほど、塩は貴重品でした。 そのため、塩と同様の保存効果を持つ酸味に注目して、スンキが作られるようになったと言われています。


■日本人の体質に合った乳酸菌

植物性乳酸菌たっぷりのスンキを摂れば、腸内環境がよくなるため、便秘などは素早く解消すると考えられます。 その理由は、植物性乳酸菌は生命力が強いことに加えて、日本人の体質に合った乳酸菌であることが挙げられます。 日本人の腸は、食物繊維の多い和食を食べ続けてきたせいで、 欧米人より1m以上も長いと言われています。 日本人の腸は、食物繊維の多い食物を消化・吸収しやすいように、長くならざるを得なかったのです。 ところが、現代の日本人は、食生活の変化で肉や乳製品を多食するようになりました。 肉や乳製品は早く便になるので、日本人の長い腸内では滞留時間が長くなります。 その結果、腸内細菌のバランスが乱れて悪玉菌が増加し、便秘の原因となるケースが増えているのです。 スンキの乳酸菌は、昔から日本人が日常生活で取り入れてきた植物性乳酸菌なので、このような日本人の腸に合っていると考えられます。 そのため、スンキを摂れば、腸内環境がよくなって便秘が改善する作用が期待できるのです。 また、腸内環境がよくなると免疫力も強化されるので、 アトピー性皮膚炎花粉症といった アレルギー病にもかかりにくくなるはずです。 皆さんもぜひ、植物性乳酸菌が豊富なスンキを食卓に取り入れて、健康的な毎日を過ごしてください。


■長寿の里に伝わる秘伝の食

日本は世界でも有数の長寿国ですが、中でも長野県は日本一の長寿県として知られています。 2013年の発表によると、長野県の人の平均寿命は男性が80.88歳、女性が87.18歳で、共に全国1位です。 そして長野県の南西部に位置する木曽地方では、西に木曽御嶽山、東に木曽駒ケ岳がそびえ、四季折々の自然に囲まれた美しい地域です。

そんな木曽地方の伝統食『スンキ』を摂っている人達には便秘に悩む人やアレルギー症状を持つ人が少なかったり、 健康で長寿な生活を送っている人が多いのです。スンキの漬け汁1gには、約1億個もの乳酸菌が含まれています。 研究の結果、スンキに含まれる乳酸菌のうちで驚くべき機能性を発揮するのが『ペデオコッカス・ペントサセウスSn26』という種類の乳酸菌です。 Sn26の持つ注目すべき働きの一つは、抗ウィルス作用です。 鼻の粘膜にSn26を吹き付けたマウスと、何もつけないマウスにインフルエンザウィルスを感染させると、 Sn26を吹き付けたマウスは1匹もインフルエンザを発症しなかったのです。 一方、Sn26を吹き付けなかったマウスのインフルエンザ発症率は100%でした。 これは、マウスの鼻の粘膜や肺のNK細胞が、Sn26によって活性化したからです。 さらに、スンキの持つ抗アレルギー作用にも注目すべきでしょう。

聞き取り調査を行った結果では、同じ長野県内でも、あまりスンキを食べない長野市と松本市に住む人たちは、 アレルギー体質であると答えた人が44%もいましたが、スンキを日常的に食べる木曽町の人たちでは、 アレルギー体質であると答えた人が約19%しかいなかったのです。 そこで、食物アレルギー性下痢症を発症させたマウスにSn26を食べさせる実験を行ったところ、 Sn26を食べたグループのマウスは、食べないグループのマウスに比べ、下痢症の発症が非常に少なくなりました。 Sn26は今急増中のアレルギー(喘息、花粉症、アトピー性皮膚炎、下痢症など)を予防したり、軽くしたりすることがわかったのです。 また、スンキを食べていると便秘で悩むことがないそうです。 スンキのこうした働きは、木曽地方の人たちは経験的にわかっていたようです。 木曽地方のスンキも、長野県の高い長寿率を支えている一つの要因かもしれません。


●スンキの食品を利用するのもいい

現在では、スンキの乳酸菌の持つ健康作用が人々に広く知られるようになり、スンキの知名度も年々高まりつつあります。 スンキは、毎年11月下旬ころから作られ始め、冬の間中食べることができます。 みなさんも、ぜひ味わってみてください。また、最近ではスンキの乳酸菌を利用した食品も多く開発されています。 スンキは基本的には冬にしか手に入らないので、春〜秋の季節にスンキの乳酸菌を摂りたい人は、こうした食品を利用するといいでしょう。