変形性股関節症

股関節への負担を軽減することが大事

■症状と特徴

運動時に股関節前方や臀部、大腿部に痛みを感じます。太腿から膝の内側へ広がる痛みもあり、膝の障害と考える人もいます。徐々に関節の動く範囲が小さくなっていく例も多くみられます。初期では、歩くときに股関節の動きが悪かったり、痛みを感じたりしますが、休むと症状が消えます。しかし変形は徐々に進みます。変形が進むと、長時間立っていたり、歩いたりした後の痛みが、休憩しても続くようになり、左右で脚の長さの違いがはっきりわかるようになることもあります。

■原因

先天性股関節脱臼の治療後あるいは、治療していない臼蓋形成不全（臼蓋との噛みあい方が浅い状態）がある場合に多く見られます。このような状態で関節に負担がかかり、年月とともに軟骨がすり減って起こります。

■治療

まずは、股関節にかかる負担を軽減することが肝要です。そのためには、体重を減らしたり、運動制限をしたりするとともに、歩行時に杖を使うことも有用です。股関節周囲の筋力をつけることも大切です。痛みに応じて、消炎鎮痛薬を用います。また、冷やさないように注意しましょう。痛みが強い場合、骨切除などや人工関節への置き換えが必要となりますが、年齢、性別、職業などが考慮されて行われます。