■骨粗鬆症の薬物治療はどのように進めていく?

●薬を使い始めるときは?

【答】

通常、まずはビスホスネート製剤かSERMを使います。閉経期ごろの比較的若い年代の女性では、SERMから使い始めることもありますが、 それ以外はビスホスネート製剤が第一選択で、使いにくい場合にSERMを考えるのが一般的です。 患者さんによっては他の薬を使ったり、高齢で骨折リスクが高い人では、ビスホスネート製剤とビタミンD3製剤の併用もよく行われます。 重症度によっては、早い段階からデノスマブやテリパラチドなどを用いることも考えられます。


●治療効果はどう見る?

【答】

ビスホスネート製剤などの骨吸収抑制薬でも、副甲状腺ホルモン製剤のような骨形成促進薬でも、骨代謝に強い影響を及ぼす薬を使っている場合は、 骨代謝マーカーを測るのが一つの方法です。薬物治療を始めたら、3ヵ月くらいで骨代謝マーカーを測定し、 6ヵ月くらいで骨密度を調べるなどして、効果を見ていきます。


●薬の変更を考えるのはどういうとき?

【答】

どの薬から使っても、3年程度を目安に、薬が効いているのかどうか、判断する必要があります。 効果がみられない場合は、薬を替えてもらったほうがよいでしょう。 ビスホスホネート製剤の中でも、ある薬で効果がみられなくなった時に、種類を替えるとまた効果が得られることもあります。 より早く安全な領域に戻すことを目指して、薬を替えることも考えられます。


●骨折を起こしたら?

【答】

痛みのある時には一時的にカルシトニン製剤を使うこともあります。通常、週週間から数か月程度です。 ビスホスホネート製剤やSERMを使っていて骨折を起こしたら、休養して、治療を見直すこともあります。 次の骨折を起こすリスクが高いので、副甲状腺ホルモン製剤に替えるのも一つの方法でしょう。