■骨粗鬆症の薬はいつまで使い続ける?


【答】

従来の治療では、期待できる骨密度の上昇は限定的で、あとは薬を替えながら、何とか骨折リスクの上昇を抑えようというのが、治療戦略の基本になっていました。 その場合、なるべく長期間骨折リスクを抑えていくために、治療を継続することになります。 しかし、甲状腺ホルモン製剤やデノスマブのように、より強力に骨密度を高める薬が出始めたことで、 治療によって骨密度が骨粗鬆症域を脱することも期待できるようになってきました。 ほかにも、強力に骨密度を上げる効果が期待できる薬の開発が進んでいます。 今後は、一定期間そうした薬を使って速やかに骨密度を高め、その後は積極的に維持する薬に替えるということもできるでしょう。 また、患者さんによっては、骨粗鬆症域を脱したところで治療に一区切りつけ、 また必要になったら治療を再開するというような使い方も視野に入ってくるのではないかと思われます。 治療戦略も、いろいろな選択肢の中から患者さんと医師が相談して決める時代が始まろうとしています。