骨粗鬆症予防・対策

骨粗鬆症」は、「骨密度」や「骨質」が低下することで起こる病気です。 骨粗鬆症があると、骨が弱くもろくなって、骨折しやすくなります。 骨密度や骨質は加齢とともに低下していくため、高齢になると骨が弱くなることは避けられません。 しかし、骨密度や骨質の低下をできるだけ緩やかにすることで、転倒と骨折を繰り返す悪循環に陥るのを避け、寝たきりを防ぐことができます。 そのためには、骨の強さを高めるとともに、転倒予防のために、筋力を高めることが大切です。 骨の強さや筋力を高めるうえで、重要なのが生活習慣の改善で、特に「食事」と「運動」が重要です。 骨粗鬆症の予防・対策は、カルシウムやビタミンDの補給、適度な運動が必須条件ですが、 しかし、それだけでは不十分。破骨細胞と骨芽細胞のバランスを整えることが大切です。


■骨粗鬆症

骨量が減り、骨がもろくなる病気

骨は通常、20歳を過ぎるころからカルシウム分などが減少してもろくなりますが、 骨量が正常範囲を超えて減少した場合はとくに、『骨粗鬆症』と呼びます。 骨粗鬆症は、多くの中高年の女性が程度の差はあれ直面する健康問題の一つです。 内蔵機能や血管・血流は正常、脳も元気なのに、骨粗鬆症にかかっているという中高年女性は大変多いようです。 統計的にも50代では3〜4人に1人、60代では2人に1人、70代以上になると10人に7〜8人が骨粗鬆症だといわれています。
骨粗鬆症は、閉経後の女性に多い病気ですが、日光を浴びる機会の少ない人、胃を切除した人、腎臓病の人なども なりやすく、原因は未だ詳細に解明されてはいませんが、性ホルモンの分泌低下、カルシウムやビタミンDの不足 などが主要因とされ、運動不足、喫煙、飲酒なども要因になると考えられています。

現在の基準では、原則として骨密度が若年平均値の70%を下回ったときに骨粗鬆症と診断されますが、 05年版「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」では、骨密度が70%以上でも、主なリスク因子を抱える場合は 薬物治療を始めるべきだとしました。本人や家族の骨折歴や多量の飲酒、喫煙習慣がリスク因子となり、 骨折歴などのない人に比べて骨折する危険度が1.2倍〜2.4倍ほど高まるためです。

骨密度だけで判断すると、大勢の人のリスクが見逃される恐れがあります。 その根拠の1つがオランダで55歳以上の男女約8,000人を対象に実施した調査結果。 調査期間中に腕や足などを骨折した約900人について分析したところ、骨密度がほぼ「70%未満」と 骨粗鬆症に該当したのは、女性で4割余り、男性で2割ほどにとどまりました。 女性で4割、男性で6割ほどは、診断基準では病気とされない「骨量減少」状態の人でした。 骨粗鬆症の条件を十分に満たしていても、治療を受けている人は2割ほど。 初期だと自覚症状がほとんどないので、見過ごしてしまう人も多いようです。


■骨粗鬆症予防・対策

大腿骨頚部を骨折すると、介護が必要な寝たきりの状態になる可能性が高くなります。 早期治療で骨折を避けられる可能性はありますが、薬の効果には限界があります。 骨粗鬆症予防・対策の基本はやはり「食事や生活習慣による予防」になります。 骨密度がピークを迎える10代に、どれだけ骨を蓄えられるかがポイントで、カルシウム摂取が大切になります。 日本人の閉経前女性の食習慣と骨粗鬆症のかかわりを調べた最近の調査では、 緑黄色野菜や魚をたくさん食べる人ほど、骨密度が高い傾向がありました。 また、運動不足や過度なダイエットは骨量減少のリスクを高めるので注意が必要です。


●その他

適度に日光に当たることもよいでしょう。適度な紫外線は体内にビタミンDを作り、カルシウムの吸収を 促すからです。


■骨粗鬆症の治療

骨粗鬆症の治療の中心は「薬物療法」です。 治療の主な目的は、症状の進行を抑止して骨折を予防し、QOL(生活の質)を維持することにあります。 また、「痛みの緩和治療」として、消炎鎮痛剤の服用やコルセットの装着を行います。 日常生活では「食生活」に気をつけ、カルシウムとビタミンDの摂取に努めるほか、 「適度な運動、日光浴」を心がけます。

【関連項目】:『骨粗鬆症の治療』