高血圧対策に『ダブル「酸」生活【飽きないで続けられる塩分置換マジック】』
塩分の摂取量を減らすには、柑橘類のクエン酸を利用することが有効です。 また、「酢」も塩分摂取量を減らすために有効で、毎日お酢大さじ1杯を摂ると血圧が下がります。 柑橘類とお酢を料理に取り入れ、摂取を習慣化することをお勧めします。
■食塩の血圧への影響は個人差がある
塩分の摂りすぎは高血圧症の元凶。食塩を摂ると血液中のナトリウムが増加し、その濃度を下げようと血液の水分が増えるので 血圧が高くなります。その状態が続くと、高血圧も常態化してしまいます。 高血圧の人は塩分の摂り過ぎに注意が必要ですが、「食塩の摂取量を増やした時に血圧が上昇する度合い」 を表す「食塩感受性」というものがあり、 実はこれには個人差があります。 食塩感受性の高い人は、食塩摂取量が増えると血圧が上がりやすく、逆に食塩摂取を減らすと血圧が下がりやすくなります。 一方、食塩感受性が低い人は、食塩摂取が増えても血圧が上がりにくい反面、 食塩摂取を減らしても血圧は下がりにくい傾向があります。 それなら「高血圧でも食塩感受性が低い人は、減塩をしても意味がないのでは」とも思えますが、 それは大きな間違い。減塩は、降圧剤の効き目をよくしたり、老化による腎臓の機能低下を予防する効果もあり、 すべての人に意味があります。
■クエン酸は塩味補強の効果あり
一般的に、食塩を1g減らすと血圧を1mmHg下げる効果があるとも言われています。 しかし、塩分控えめの料理は味気なくて、あまりおいしく感じられないため、減塩が難しいのも事実です。 そこで、上手に活用したいのが「クエン酸」です。 レモンをはじめとする柑橘類に多く含まれる酸っぱい成分です。 実験によると、塩分控えめの時にはクエン酸を加えることで塩味が増し、料理にしっかりとした味をつけてくれることがわかりました。 柑橘類を調味料として使えば、減塩もつらくありません。
■お酢大さじ1杯で血圧が下がる!
クエン酸と並んで、減塩をサポートしてくれるのが、さまざまな健康効果を持つ「お酢」。 特に、実験で証明されているのが血圧を下げる効果です。 そのカギを握るのは「アデノシン」という血管を広げてくれる物質です。 お酢を摂るとその主成分である「酢酸」が血管から細胞に取り込まれ、エネルギーとして使われます。 その時に細胞から出されるのがアデノシン。血管の壁にはこのアデノシンをキャッチする鍵穴のような器官があり、 ここにアデノシンが入ると血管が拡張します。そのため血液が流れやすくなり、血圧が下がるのです。 ただし、アデノシンの効果は持続性がないというのが弱点。「たまにお酢を摂ればよい」というわけではなく、 毎日お酢を摂らないと、拡張した血管が元に戻ってしまい、血圧を下げる効果は期待できません。 酢の効果を得るためには、料理に用いて「1日あたり大さじ1杯」が目安。 この効果は高血圧の場合にのみ作用し、正常な血圧の人の血管が拡張する心配はありません。
【関連項目】:『健康酢』