内臓脂肪ダイエット【計るだけダイエット】
「計るだけダイエット」とは、起床後と夕食後の2回、体重を量って記録する、腹囲のサイズを測る、という方法で、1日2回体重を量れば、自然に減っていきます。 内臓脂肪を減らせば、突然死の危険が下がり、老化を遅らせる物質「アディポネクチン」を増やすようにすれば、 高血圧を予防することができます。
■内臓脂肪を減らせば、突然死の危険が下がる
肥満は高血圧、糖尿病、高脂血症など、さまざまな生活習慣病の引き金になります。
脂肪には内臓脂肪と皮下脂肪があり、内臓脂肪が多いタイプは「リンゴ型肥満」、
皮下脂肪が多いタイプは「洋ナシ型肥満」とも呼ばれています。
今、問題視されているメタボリックシンドロームの”主犯格”とされるのが、内臓に脂肪がたまって、
おなかがポッコリと出る「内臓脂肪型肥満」です。
内臓脂肪型肥満は、高血圧、糖尿病、高脂血症などを引き起こし、その結果、
心筋梗塞や脳卒中などにつながる危険も高くなります。内臓脂肪は動脈硬化の直接的な原因にもなっているのです。
逆に言えば、内臓脂肪を減らせば、高血圧、糖尿病、高脂血症などを予防することができ、突然死の危険も低下するというわけです。 実際、兵庫県の尼崎市役所では、職員にウェストを細くする(内臓脂肪を減らす)ように指導を徹底したところ、 高血圧、高血糖、高中性脂肪が改善し、毎年何件かあった心筋梗塞による突然死もピタリと収まったといいます。 現代の食生活は、食べすぎや飲み過ぎ、糖質や塩分過多になりがち。さらに運動不足やストレスなどが重なると、 内臓脂肪型肥満になりやすいといえます。中でも、中年男性や閉経後の女性は要注意。 内臓脂肪型肥満が年々増える傾向にあります。
内臓脂肪が多いか少ないかを判断するにはCT検査が正確ですが、自分で判断することも可能。 そのバロメーターとなるのが、「腹囲(おへその周囲)」です。 男性なら85cm以上、女性なら90cm以上が危険レベル。 体重だけでなく、腹囲も意識しながら、内臓脂肪を減らすダイエットを心がけましょう。
■老化を遅らせる物質に高血圧を予防する力がある
最新の研究によって、100歳を超える高齢者の体内には、老化を遅らせる物質が多いことがわかっています。 その物質が「アディポネクチン」。 アディポネクチンが多いと血管が拡張し、その結果血圧が下がります。 また、血糖値や中性脂肪値を正常化し、動脈硬化を予防する優れた働きがあります。 100歳以上の元気な高齢者は、若い人に比べ、このアディポネクチンが2倍も多いといいます。 アディポネクチンは内臓脂肪の脂肪細胞で作られるたんぱく質の一種です。 ただし、内臓脂肪が多ければアディポネクチンが増えるというわけではありません。 脂肪がたまりすぎると、かえってアディポネクチンを作り出す機能が低下してしまうのです。
■1日2回体重を量れば、自然に減っていく
内臓脂肪を減らすためにはダイエットが必要不可欠。 わかってはいても、なかなか続かないという人にお勧めなのが「計るだけダイエット」。 毎日、起床時と夕食後(もしくは就寝前)の2回、測った体重を記録するというシンプルな方法ですが、試す価値はあります。 このダイエット法は、高血圧や糖尿病などで痩せる必要がある患者さんを対象に、医療機関で実際に指導している 自己評価管理法と呼ばれる方法を簡単にしたものです。体重を記録して「目に見える形にする」ということで、 食生活を見直したり、太る原因が明確になるなどのメリットがあります。 それと併せ、血圧測定も行いましょう。成果が目に見えるので、頑張る気持ちも持ち続けることができます。