「アルギン酸」プラス術【カリウムの働きを強力にサポートする】
『アルギン酸』は体内に『カリウム』が吸収されるのを助け、ナトリウムを体外へと排出する一挙両得の成分で、 コンブやヒジキなどのアルギン酸豊富な海藻類を料理に取り入れると、減塩効果・血圧降下がアップします。
■アルギン酸は一挙両得の働きをする
『アルギン酸』をご存知ですか?
アルギン酸とは食物繊維の一つで、コンブやワカメ、モズク、ヒジキなどの海藻に多く含まれています。
海藻の中に、主にカリウムとくっついて含まれており、カリウムとナトリウムのバランスを整える効果があるとされています。
これらの海藻を食べると、胃にたどり着いたとき、胃酸によってアルギン酸とカリウムは分離され、カリウムは吸収されます。
さらに、アルギン酸は小腸にたどり着くと、今度は、小腸に多くあるナトリウムとくっつき、体内にほとんど吸収されることなく、
ナトリウムとともに排出されます。つまり、アルギン酸は体内にカリウムが吸収されるのを助け、
ナトリウムを体外へと排出する一挙両得の成分なのです。
【関連項目】:『アルギン酸』
■アルギン酸たっぷりの海藻を上手に摂ろう
長寿の人が多いことで知られている沖縄県。癌、脳卒中、心臓病という日本人の三大死因による死亡率が低いことでも有名です。 その長寿の理由の一つとしてさまざまな研究者が海藻を多く食べていることを挙げています。 海藻は、昔から健康増進に役立つ素材と言われてきましたが、前述のようにナトリウムを排出する働きがあるので、 減塩にも力を発揮します。特に高血圧が気になる人は積極的に食べたいものです。 海藻の中でも、コンブやヒジキはアルギン酸を多く含み、しかもカリウムが多く、ナトリウムが少ない優秀な素材です。 煮物にする、サラダやてんぷらに加えるなど、工夫してさまざまな味わいを楽しむとよいでしょう。
コンブはだしをとるときによく使われますが、出し殻コンブを捨ててはいませんか?
だしの中に溶けだすアルギン酸はわずかに5%未満。つまり、出し殻コンブには、たくさんのアルギン酸が溶け出すことなく
残ったままになっています。出し殻コンブは佃煮にするなどして有効利用しましょう。
ちなみに、出し殻コンブは酢をかけると食感がよくなるので、それを細切りにしてあえ物などに使うとというのもお勧めです。
●海藻をおいしく食べる秘訣
- ▼油で揚げる
- モズクは酢であえるモズク酢がポピュラー。でも、油で揚げててんぷらにすることで、 モズク酢で摂るより多くの量を無理なく摂れる。
- ▼酢
- コンブを煮るときに味が染みるのを阻止しているのがぬるぬる成分。 酢によってその成分が分解され、コンブに味がしみ込みやすくする。
- ▼豚肉
- 豚肉と一緒に煮ると、肉の油が煮汁に溶けだすので沸点が上がり、コンブが柔らかく煮える。
■その他
- ▼だしとり前と出し殻で味覚の差がはっきり!
- だしとり前と取った後のコンブ(だし殻)で、味覚の変化を調べたところ、うまみをより強く感じるのは だし殻コンブであることが判明しました。これは、塩味や酸味を感じる度合いが低くなった分、 うまみを感じる度合いが高くなったため、煮物ならだし殻コンブの方がうまみを感じます。