血圧・血行・血管の高血圧トライアングル解消術

高血圧症は「血圧」「血行」「血管」のトライアングル関係によって相乗的に悪化したり、改善したりします。 したがって、このトライアングル関係を良好に保てば、高血圧症は改善することができます。 血圧降下術のファーストステップは1日2回血圧を測ることです。測る時間帯は、就寝前と起床後30分以内。 普段から血圧が「少し高め」の人は、早期発見で危険を回避することができます。


■血圧・血行・血管の微妙な関係

高血圧症は「血圧」「血行」「血管」のトライアングル関係によって相乗的に悪化したり、改善したりします。 したがって、このトライアングル関係を良好に保てば、高血圧症は改善することができます。


●血管が硬くなると高血圧を招く

血圧は、血管の柔らかさと血流の勢いによって決まります。 つまり、高血圧には血管や血流の状態が深く関係しているのです。 通常、血液の通り道である血管の壁は柔らかくて弾力性があります。 このため、心臓から送り出される血液の流れる力を吸収したり、血管を広げたりして、血圧を正常に保つ働きがあります。 ところが、血管が硬くなってしまうと、血液が流れる際の強い衝撃を吸収できず、血圧の上昇を招いてしまうのです。 強い衝撃にさらされ続けていると、硬くなった血管はそれに耐え切れなくなり傷ついてしまいます。 そうなると血栓ができ、脳梗塞や心筋梗塞を、あるいは血管が破裂し、くも膜下出血や大動脈瘤などを引き起こしてしまいます。


●血行が悪くなると血圧は不安定になる

心臓から送り出された血液は動脈を通って全身へ運ばれ、静脈を通って心臓へと戻ってきます。 血液循環は、不規則な生活習慣などで滞ってしまいがちです。 特に、体の末端から心臓へと向かう、静脈を流れる血液の流れが悪くなります。 血行が悪くなると、血栓ができやすくなり、血管に負担をかけるなどして高血圧につながってしまうのです。 逆に、血行が良くなれば、血栓の生成を防ぐ物質が血管壁から分泌され、動脈硬化を予防、血圧も安定します。


このように、「血圧」「血管」「血行」はお互いに関与し合って健康を支えているので、3つのケアを併せて行えば相乗効果が期待できます。


■血圧ホームチェック

血圧降下術のファーストステップは1日2回血圧を測ることです。 測る時間帯は、就寝前と起床後30分以内。 普段から血圧が「少し高め」の人は、早期発見で危険を回避することができます。


●就寝前と起床後30分以内に計測を

高血圧による突然の発作を防ぐには、普段の血圧の数値を知っておくことが第一。 そうすれば、わずかな変動にも早めに気づくことができます。 ですから、血圧がもともと高めの人はもちろん、そうでない人も、血圧計測を習慣にしましょう。 最近では、さまざまなタイプの 家庭用血圧計があります。 手首や指で測るものより、上腕で測るタイプの方がより正確です。

高血圧の診断基準は、最大血圧が140mmHg以上、最小血圧が90mmHg以上とされています。 ただし、家庭でリラックスした状態で血圧を測ると低めになる傾向があるため、135/85mmHg以上が高血圧の目安です。 正常な人でも、血圧は1日のうちで上下動を繰り返しています。 運動したり、慣れない作業をしたり、ストレスがかかった状態では血圧は高く、リラックスしているときは低くなるので、 正確に測るにはタイミングが大事です。毎日、就寝前と起床後30分以内の1日2回、安静時に測るようにしましょう。 いずれも、何回か測っておおよその平均値を出します。


●普段から「少し高め」の人は、早期発見で危険を回避

家庭で毎日、血圧測定を行っていると、病院の検査や健康診断で発見されにくい 「早朝高血圧」 も早期に発見することが可能です。 就寝前と起床後の最大血圧の差が20mmHg以上の場合と、両者の最大血圧の平均値が135mmHg以上の場合は早朝高血圧の疑いがあります。 早朝高血圧になりやすいのは、血管を広げる働きを持つ内皮細胞をもろくしてしまう、悪い生活習慣を送っている人です。 逆に言えば、生活習慣を改めることで、早朝高血圧を予防したり、改善したりすることができます。 特に普段から血圧が「少し高め」の人は、まずは普段の生活を見直すことが先決です。 内皮細胞にダメージを与える生活習慣を見直しつつ、血圧チェックを習慣化することが高血圧予防の第一歩です。