マヌカハニー

近年、ニュージーランドの湿地帯に群生するマヌカの林から採れる特異な蜂蜜マヌカハニーに、 ピロリ菌をはじめとする各種細菌に対する抗菌作用があることがわかりました。 胃痛・胃もたれを招き、 胃癌の原因にもなるといわれているピロリ菌や、 歯周病の原因となる 歯周病菌の増殖をほぼ完全に防ぐとわかった抗菌食「マヌカハニー」の人気が急上昇中です。


■「マヌカハニー」とは?

ニュージーランドでしか採れない特異な蜂蜜

『マヌカハニー』は、南半球の島国であるニュージーランドの特産品です。 「マヌカ」とはニュージーランドに分布しているフトモモ科の低木で、11月から1月にかけて白い花を咲かせます。 その木幹は先住民達が大木を倒し、薪をつくるための楔に使われたほど強く、電動ノコギリで引くと煙が上がるほどの堅さです。 マヌカハニーはこのマヌカの花から採れる蜂蜜で、その美味しさと胃腸によいとの観点から、今日、世界中で注目を浴びている完全自然食品です。 マヌカハニーは、従来日本で親しまれてきた普通の蜂蜜よりも濃厚で、粘り気が強く、 風味豊かで一度味わった人をつかんで離さない魅力的で独特の味が特徴です。 ニュージーランドの先住民マオリ族が、数千年もの昔から万能薬としてきたマヌカの葉からは、抗菌作用を持つオイルが抽出されることで知られています。 マヌカの葉が持つ抗菌力は、他の植物には見られない特異なもので、皮膚の炎症や化膿をはじめ、 ブドウ状球菌、連鎖球菌、大腸菌、サルモネラ菌、スタファワレアス、ピロリ菌などの細菌に対して、有効な働きをするとされており、 ニュージーランドでは、医師も薬として処方しています。


●マヌカハニーの抗菌力

マヌカハニー特有の成分「UMF」

そもそも蜂蜜は、抗菌効果に優れているため、ピロリ菌減らしに役立ちます。 その蜂蜜の抗菌効果をもたらす主成分は「過酸化水素」。 蜂蜜が長期保存できるのは水分が少ないのに加え、過酸化水素が豊富に含まれているからです。 その抗菌力が強い蜂蜜の中でも、際立っているのが「マヌカハニー」なのです。

ニュージーランド国立ワイカト大学の研究グループは、マヌカハニーが、大腸菌やサルモネラ菌など食中毒の原因菌を殺すことを確かめました。 さらに、同グループは、マヌカハニーには、ピロリ菌を除菌する優れた働きがあることも明らかにしたのです。 マヌカハニーの抗菌力が、他の蜂蜜をはるかにしのぐ秘密は、 マヌカハニーに含まれる「UMF」(ユニーク・マヌカ・ファクター)にあります。 UMFはマヌカハニー特有の成分で、他の蜂蜜には含まれていません。 蜂蜜の過酸化水素は、加熱すれば減り、私たちの体内に入れば、酵素によって壊されてしまうのが弱点。 これに対して、UMFは、熱に強く、酵素の影響も受けないため、私たちの体内でも抗菌力を発揮します。 しかも、UMFが退けるのは、体に有害な細菌のみで、 乳酸菌など体に有益な働きをする細菌には手を出しません。

◆医療機関でも胃潰瘍の治療に活用

ただし、同じマヌカハニーでも、製品によって抗菌力は千差万別です。 そこで、マヌカハニーは、「UMF値」という抗菌力を示す数値によって等級が分かれています。 UMF値は、標準的な殺菌成分である「フェノール酸」(消毒液の一種)を基準に決められたもの。 例えば、UMF値10のマヌカハニーは、濃度10%のフェノール液と同じ強さの抗菌力があるということです。 特に、UMF値が10以上と認定されたものは「アクティブマヌカハニー」と呼ばれます。 実際に、ニュージーランドの医療機関では、アクティブマヌカハニーを、さまざまな感染症や 胃潰瘍などの治療に活用しているそうです。

日本でも、東京警察病院の本間請子医師らの実験によって、マヌカハニーがピロリ菌を退けるのに有効であることがわかりました。 この実験では、ピロリ菌に感染した患者8名に協力してもらい、このうち、4名には食前に毎回、小さじ1杯のマヌカハニーを、 残りの4名には小さじ2杯のマヌカハニーを、それぞれ3ヶ月間摂ってもらいました。 その結果、マヌカハニーを小さじ1杯ずつ摂っていた人のうち3人に、小さじ2杯ずつ摂っていた人のうち2人にピロリ菌の抑制効果があったと報告されています。

▼効果
[1]ビロリ菌(胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃癌の原因)
[2]黄色ブドウ球菌・緑膿菌
[3]その他バクテリアなど

▼特徴
・胃潰瘍と胃の不調を緩和します。
・一般的な消毒剤よりも高い数値の抗菌作用が保証されています(4%フェノール同等以上)
・多種のバクテリアや真菌類を死滅させ、傷・火傷・皮膚腫瘍に対する高い治癒力を持ちます

■ピロリ菌の除菌治療

耐性菌や再発の恐れもある除菌治療

胃痛や胃もたればかりか、 胃炎・胃潰瘍胃癌を招く細菌として、 ピロリ菌が注目されています。 しかも、日本人には、このピロリ菌を保有している人が多く、ある調査では感染率は40代で4割といわれています。 ピロリ菌は胃にすみつき、胃の粘膜や粘液の性質を変性させて、胃液から胃壁を守る働きを衰えさせます。 さらに、胃自体も、ピロリ菌の有害物質を封じ込めようとして、大量の胃液を分泌するため、胃壁にはかなりの負担がかかってしまいます。 2009年1月、日本ヘリコバクター学会は、胃癌予防のために、ピロリ菌を持つ人には薬による除菌を奨める、という内容の指針を発表しました。 除菌治療には、抗生物質の服用が行われ、除菌率は7~9割程度とされています。 しかし、抗生物質の効きにくい耐性菌が増えていることや、治療の副作用や再発の心配などもあって、最近では、除菌治療をためらう人も少なくないようです。


●ピロリ菌の除菌にマヌカハニー

浸透圧の働きで細菌を死滅させる

そうした中、強力な抗菌作用を発揮してピロリ菌の除去に役立つ食品が見つかり、注目が集まっています。 それは、ニュージーランド産の『マヌカハニー』という蜂蜜です。 もともと蜂蜜には、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、酵素、など百数十種類もの栄養素が含まれ、 抗菌・抗炎症作用を備えていることが知られていました。 また、胃に対しては、蜂蜜に含まれる 亜鉛が胃の粘膜を強める働きを持つことや、 蜂蜜の「アセチルコリン」という成分に胃の周囲の血行をよくする働きのあることが確認されています。

そうした蜂蜜の中でも強力な抗菌・抗炎症作用を発揮するのが、マヌカハニーなのです。 マヌカハニーは、ニュージーランドの「マヌカ」という花から採取され、濃厚でドロッとした食感があります。 水分の少ない濃縮された蜂蜜なので、体内に入ってきた細菌を、浸透圧の働きによって死滅させる効力のあることが わかっています。これまでの研究によって、マヌカハニーにはピロリ菌をはじめ、ブドウ球菌や大腸菌、 サルモネラ菌など多くの有害菌を抑制する働きのあることが突き止められました。 しかも、マヌカハニーは、乳酸菌などの善玉菌に対しては 抗菌力を発揮しないという優れた特徴があることも確認されています。 マヌカハニーには、ふつうの蜂蜜に含まれる栄養素に加え、 「フラボノイド」といった抗酸化成分や、 「メチルグリオキサール」という生理活性物質も含まれています。 こうした多種多様な有効成分の相乗効果によって、ピロリ菌の抑制作用がもたらされると考えられているのです。

マヌカハニーのピロリ菌に対する抑制作用は試験によっても確認されています。 例えば、東京農工大学の寺尾啓二客員教授らの研究グループが行った試験では、 ピロリ菌を入れた寒天培地にマヌカハニーを加えたところ、5%以上の濃度ではピロリ菌の増殖が完全に抑えられていたと報告されています。


■歯周病菌対策にマヌカハニー

歯周病菌の増殖や歯肉の炎症も抑えた

さらに、マヌカハニーは、歯周病に対しても効果を発揮することがわかってきました。 歯周病は、数種類の歯周病菌による感染症です。歯と歯肉の境目に入り込んだ歯周病菌によって歯肉に炎症が起こり、 やがて歯を支えている歯槽骨が溶け始め、歯が抜けてしまうのです。 これまで行われた試験で、マヌカハニーは強力な抗菌作用によって歯周病菌の増殖や歯肉の炎症を抑える効果をもたらすことが明らかになりました。


■マヌカハニーの摂り方

ピロリ菌の除菌が目的であれば、マヌカハニーを摂る量は1日小さじ2杯が目安。そのまま食べてもいいし、 パンやホットケーキに塗って食べてもいいのですが、 「梅肉エキス」と一緒に摂るのがベストです。 梅肉エキスもマヌカハニー同様、ピロリ菌に対する抗菌力が優れている食品だからです。 梅肉エキスと一緒に摂る場合は、水かお湯に梅肉エキスとマヌカハニーを一緒に入れ、溶かして飲むのがおススメ。 ただし、マヌカハニーに含まれる過酸化水素やビタミン類などの栄養は、加熱すると減ってしまいます。 そこで、お湯を使う場合は、40~60℃くらいのぬるめの温度にしてください。 特に、少量の水に梅肉エキスとマヌカハニーを混ぜ、炭酸水で割ると、とてもおいしく飲めます。


■マヌカハニーの選び方

最近では、日本でもマヌカハニーが市販されています。いろいろな種類や等級のものが出回っていますが、 その中で特に抗菌力が強いと証明されているのが、先に述べたメチルグリオキサールの含有量が多いものです。 このメチルグリオキサールの含有量を示す指標として、一部では、「MGO」という数値が用いられています。 MGOの数値が高いマヌカハニーほど、メチルグリオキサールの濃度が高く、抗菌作用も強いと判断できるわけです。 ピロリ菌や歯周病菌の除去を目的にマヌカハニーを摂る場合は、製品のラベルを見てMGOの数値が最高等級の550+のものを選べば大きな効果が期待できます。 マヌカハニーを摂る目安量は、1日1・2回、小さじ1杯程度です。 ぜひ毎日の食事に取り入れて、健康増進に役立ててください。