歯の悩みQ&A

歯周病や入れ歯、 ホワイトニングなどに関する悩みについて、Q&A形式でお答えします。


●噛む力

▼噛む力が弱くなる原因は?
噛む力は、加齢とともに低下していきます。噛む力が弱くなる原因は、硬いものをかみ砕くときに使う口の周りの筋肉の衰えと、 歯茎が痩せて、歯を支える力が弱くなってしまうことにあります。 噛む力が低下すると、硬いものが噛みにくくなるだけでなく、気力の減退などを招き、 認知症の発症につながる恐れもあります。 口の周りの筋肉を鍛えるためには、音読やカラオケがお勧めです。 その他、唇を使うトレーニングなどもあります。 歯茎の衰えを防ぐには、歯周病の予防や治療をすることが大切です。

●歯周病

▼歯茎で出血するのは歯周病?
歯茎から自然に出血したり、食事の後や歯磨きの時などに出血するほとんどの原因は、歯肉炎や歯周炎といった歯周病です(下図参照)。
歯肉炎や歯周炎

▼歯周病は予防できるの?
正しい歯磨きを習慣化することで予防できます。歯磨きの方法にはスクラッピング法バス法があります(下図参照)。 バス法の場合、歯茎が傷つかないよう、歯ブラシは「ふつう」、もしくは「軟らかめ」を使うとよいでしょう。 デンタルフロスや歯間ブラシの使用も効果的です。 磨き残しがないようにしてください。 また、ストレス喫煙免疫の働きを低下させるため、歯周病の炎症が起こりやすくなります。 これらも見直しましょう。
歯の正しい磨き方

●欠けた歯・抜けた歯

▼欠けた歯は元に戻せる?
歯の欠けた部分が歯の神経まで達していなければ、欠けた歯を元のように接着できる可能性があります。大きく欠けた場合は、かぶせ物をします。 欠けた部分が神経まで達している場合は、神経を保護したのち、樹脂などで欠けた部分を修復します。 ただし、神経の損傷が大きい場合は、神経を除去する治療を行う必要があります。 何かにぶつかって、歯が抜けたり、根元から折れてしまった場合は、すぐに歯科に持っていきましょう。 乾燥に弱い歯根膜の状態が悪化しない30分以内であれば、元に戻せる可能性があります。 なお、抜けた歯は落ちて汚れていても水で洗わず、常温の牛乳につけて持っていくようにしましょう。
【抜けた歯を牛乳につけるとよいのはなぜ?】
牛乳の浸透圧と酸性度(ph)が人間の体液に近いため、歯の乾燥も防ぎ、歯根膜を保護してくれます。

●ホワイトニング

▼違いはあるの?
歯を白くするホワイトニングには、歯科が行うオフィスホワイトニングと、 患者さん自身が自宅て行うホームホワイトニングがあります。 2つの方法は使われる薬剤や白くなるまでにかかる時間などが異なり、どちらも健康保険は適用されません。 ホワイトニングは、歯のかぶせ物や詰め物がある人でも可能です。ただし、白くなるのはもともとある歯だけです。 かぶせ物や詰め物の部分はホワイトニングでは白くなりません。かぶせ物や詰め物も白くしたい場合は、ホワイトニングを行ってから、 歯の白さに合わせてかぶせ物や詰め物を作り直すことになります。
【ホームホワイトニングの方法】
まず薬剤塗布用のホワイトニング用トレー(歯に装着するもの)を歯科で作ります。 それに薬剤を塗って毎日2時間ほど歯に装着し、外してから歯磨きをします。
歯の正しい磨き方

▼効果はどれくらい持続する
ホワイトニングの効果はずっと続くわけではなく、個人差がありますが、色の後戻りがあります。 オフィスホワイトニングは短時間で効果が出る施術療法のため、薬剤が歯に深く浸透せず、 一般的に色の後戻りまでの時間が短く、半年~1年ぐらいといわれています。 一方、ホームホワイトニングは時間をかけて薬剤を浸透させていくため、オフィスホワイトニングに比べて色の後戻り時間が長く、 1~2年程度とされていますが、個人差が大きいです。

●入れ歯

▼すぐに作り直せるの?
健康保険を使って入れ歯を作る場合、合わないと感じても半年以上経過してからでないと作り直すことはできません。 違和感や気になることがある場合は、歯科医に相談し、調整を受けましょう。