透析療法
血液中の老廃物を人工的に除去する
腎不全や肝不全などで臓器の機能が失われた場合は、 血液中に老廃物などが過剰に溜まるようになります。この場合、人工的な手段で老廃物を除去しなければなりません。 そのために行う治療を血液浄化療法、血液透析療法といいます。 血液浄化療法のなかでも、最も普及しているのが、腎不全に対する『人工透析』です。
■血液透析と腹膜透析
人工透析には、大きく分けて2つの方法があります。 1つが血液を体外に取り出して、合成膜(ダイアライザー)を通すことによって老廃物を除去する血液透析です。 最も普及している血液浄化療法です。もう1つが透析を受ける人自身の腹膜を透析膜として利用し、老廃物を除去する腹膜透析です。 血液透析は、利き手でないほうの手首の皮膚近くの静脈を、動脈とつないで動脈化させます(内シャフト)。 太くなった静脈に針を刺し、血液をダイアライザーに通して浄化し、きれいになった血液を体内に戻します。 腹膜透析は、透析を受ける人の腹膜をダイアライザー代わりにして血液を浄化する療法です。 透析装置を使用する必要がなく、自宅や職場で本人でも作業を行うことができるため、透析を受ける人の負担が少ないという利点があります。 ただし、血液透析に比べると効率が悪く、腹膜炎を起こしやすい、長期の使用ができないなどの問題点もあります。