ES細胞(胚性幹細胞)

未分化のままの幹細胞を受精卵から人為的に取り出して、特殊な方法で培養したものを 『ES細胞(胚性幹細胞)』といいます。
ES細胞は一般に「胚性幹細胞」とも呼ばれて、近い将来の医療に役立つ細胞として、脚光を浴びています。
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■ES細胞(胚性幹細胞)とは?

受精卵が細胞分裂を繰り返して、100個程度の球体状になると、内側に「内部細胞塊」と呼ばれる細胞群ができ、 内部細胞塊はやがて身体のさまざまな組織へと分化を始め、脳や心臓、骨、筋肉などすべての臓器ができていきます。 この「内部細胞塊」を人為的に取り出して、特殊な方法で培養すると、未分化のままの細胞(幹細胞)が 無制限に増えていきます。このような培養によって得られた細胞のことを『ES細胞』といいます。 本来、刻々と変化を続ける胚細胞が外部に取り出された時点で、あたかも分化が停止したかのような状態になった細胞群です。


●「ES細胞(胚性幹細胞)」の再生医療への応用の問題点

ES細胞は、未分化の細胞ですから、ある条件さえ与えれば、脳や心臓、骨などを人為的に作り出すことが 可能であると考えられています。 こうした考えから「ES細胞」による「再生医療」の可能性が注目されるようになっています。 現在、世界各国で動物による研究が行われており、そうした試験に基づいて、 将来実現可能であると考えられている医療分野には、パーキンソン病、脊髄損傷、心筋梗塞、 糖尿病、肝代謝障害、動脈硬化症、筋ジストロフィー症、白血病、等々があります。

しかし、実際に「ES細胞」を用いた再生医療を行うには、「ヒトのES細胞」を得るために まず初めに「ヒトの受精卵」を確保しなければならないことから、 生命倫理上の課題や宗教上の問題が横たわっており、「ES細胞」の近い将来での医療応用はかなりの困難が予想されます。