地域や職場の定期健診を受けよう!
健康診断(健診)は、定期的に受けることで自覚症状が現れる前に体の異常を見つけたり、自分の健康状態を知って病気を予防したりするのに役立ちます。 まずは地域や職場の健診の機会を活用して、年に一度は健康チェックを受けましょう。 診療で行う検査は、持病に関わる項目に限られます。全身のチェック機会として、健診を受けましょう。 健診は受けた後が重要です。検査結果が伝えていることをしっかり受け止め、健康管理に生かしていきましょう。
■定期的な検査で自覚症状のない異変を見つける
健康診断は、特に自覚症状がない人が定期的に検査を受けることで、病気の可能性がある人を”スクリーニング(振るい分け)”することを目的として行われます。 中高年に多い生活習慣病は、初期にはほとんど自覚症状がなく、病状に気付いた時にはすでに血管や臓器などの障害が進んでいることが少なくありません。 そのような病気を早期に見つけるには、定期的なスクリニーング検査が欠かせません。 スクリニーング検査を受ければ病気を100%見付けられるというものではなく、検査で異常が疑われても実際には病気ではないこともありますが、 毎年受けていれば、自覚症状が現れる前に、精密検査を受けるべきタイミングを知るのに役立ちます。
■特定健診や職場の健診で生活習慣病をチェック
日本には、多くの人が受けられる健康診断の制度があります。職場や住んでいる地域の自治体が行っている健診なら、無料または少額の自己負担で、
年に1回は基本的なスクリーニング検査を受けることができます。まずは、そうした定期健診の機会を逃さず、毎年、必ず受けるようにしましょう。
特定健診(特定健康診査)はメタボリックシンドロームに着目した健診で、
健康保険に加入している40~74歳の人を対象に行われています。
生活習慣病の中でも、動脈硬化を進行させやすい
高血圧、
糖尿病、
脂質異常症などや、その予備軍を早期に見つけ出すことを主な目的としています。
メタボリックシンドロームとは、お腹の臓器の周りにつく内臓脂肪の蓄積に、動脈硬化の危険因子が複数重なった状態です。
そこに着目し、それぞれの異常が軽度のうちから対処することで、生活習慣病の発症を予防したり、
心筋梗塞や
脳卒中が起こる前に動脈硬化の進行を抑えたりすることを目指します。
75歳以上の後期高齢者を対象とする健診も、検査の内容はほぼ同じです。
なお、特定健診の対象となる人には、地域の自治体から受診券や受診案内などが届きます。
具体的な内容や、受け方・費用などは、案内を確認しましょう。
会社勤めの人などが職場の定期健診として受けるのも、主に生活習慣病予防健診で、40~74歳の人では特定健診の項目が含まれています。
仕事の内容に応じた検査が加わることもあります。
■診察、計測、血液や尿の検査で全身の状態を調べる
スクリーニング検査は、体への負担が少ない検査法で行われます。 問診・身体診察、身体計測、血圧測定のほか、血液検査、尿検査が基本です。 地域や職場の定期健診の血液検査では、脂質検査、血糖検査、肝機能検査を基本に、腎機能検査、貧血検査、尿酸検査などが行われています。 尿検査では、尿たんぱくや尿潜血が、尿をつくる腎臓や尿の通り道である尿路の異常を見つける検査として特に重要です。 尿糖が陽性なら高血糖が疑われますが、糖尿病の早期発見には血液検査が優先されます。 そのほか、医師の判断などにより、眼底検査や胸部エックス線検査、心電図検査などが行われることもあります。