子宮癌
女性の性器に関わる『子宮癌』は、子宮頸癌・子宮体癌・卵巣癌の3つが挙げられます。
これら3つの癌は、本来、それぞれの特徴を持ち、発生原因も、診断方法も、治療方法も、その予後も、全く異なるものです。
体の調子がおかしいと思ったら、検査をして早期発見し、判別しましょう。
日本においては、かつて、子宮癌といえば、子宮頸癌のことを指すというほど、
圧倒的に、頸癌の方が多かったのですが、近年になって、日本女性のライフスタイルの欧米化と共に、子宮体癌も増えてくるようになりました。
子宮癌全体の発生数は、年間約18000人ですが、頸癌と体癌の比は8:2~7:3くらいになると思われます。
また、子宮癌の原因ですが、頸癌では、中~高リスクタイプのヒト・パピローマ・ウイルスの持続感染だといわれ、
体癌においては、エストロゲンというホルモンに対して感受性の高い人が、エストロゲンに暴露され続けることが、大きな要因だといわれています。
■子宮癌の症状と特徴
子宮に発生する癌を「子宮癌」といいます。初期にはほとんど自覚症状がありません。
進行すると、癌からの出血により、月経時以外に出血して、下着にシミのようなものが付いたり、おりものに血が混じったり、
ピンクのおりものが分泌されたり、性交時に出血したり、不正性器出血がみられます。
女性では、女性ホルモンの乱れによってしばしば機能性の出血がみられることもあり、また、他の内性器の病気でも出血を伴うので、
簡単に考えて放っておきがちですが、不正性器出血があったときは必ず受診して、子宮癌ではないことを確かめておきましょう。
女性の癌罹患数(2011年度)をみると、子宮癌は
乳癌、大腸癌、
胃癌、
肺癌に次いで多く、
5年生存率(2003~2005年に癌と診断された人の場合、ともに国立がん研究センター統計)は75%以上と高く、かかりやすく治りやすい癌の一つになっています。
これは子宮癌検診の浸透によって、早期発見が可能になったからです。
ただし、現在、これから妊娠出産を控える若い女性の子宮癌が増えていることが問題になっています。
子宮癌は発生部位によって、子宮頸癌と子宮体癌とに分けられます。
子宮頸癌は子宮の出入り口の、頸管と呼ばれるところにできる癌で、20~40歳代、および70歳代に多く、
子宮体癌は子宮上部の子宮体部にできる癌で、50~60歳代に多い癌です。
1990年(平成2年)以前は圧倒的に子宮頸癌が多かったのですが、最近では子宮体癌が増え、子宮体癌が子宮癌の約45%を占めています。
■子宮癌の治療
早期に発見すれば、手術で治ります(0期ならばほぼ100%)。 20歳からは、2年に1回の公費負担の子宮癌検診(子宮頸癌検診)を受けることが大事です。 なお、子宮体癌は子宮癌検診の対象にはなっていません。必要なら自費で受けましょう。