高血糖・糖尿病予防に「さば缶」

さばに豊富なEPAが、インスリンをパワーアップするGLP-1を分泌!?


■痩せるホルモン「GLP-1」に注目

2013年7月、ある番組でさば缶の健康効果を紹介したところ、大ブームが巻き起こりました。 『さば缶』は糖尿病予防の味方!体にどんな働きかけがあるのかというと、さば缶には、必須脂肪酸の EPA(エイコサペンタエン酸)」が非常に多く含まれています。 EPAを摂取すると「GLP-1」という消化管ホルモンの分泌がよくなる可能性があり、 GLP-1が多く分泌されると、「インスリン」の分泌が促進されるのです。 インスリンには血糖値を下げる働きがあるため、GLP-1をしっかり分泌できていれば、糖尿病になりにくいと考えられます。 さば缶の消費量が多い山形県内陸部の人々は、GLP-1の分泌量が多いそうです。

●EPAに反応して、GLP-1が分泌される!

ほかにもGLP-1は、血糖値の上昇を防ぐよう、胃や脳へ働きかける役割もあるといいます。 医療現場でも使われているというGLP-1。さば缶などに含まれるEPAで分泌がよくなるのはなぜなのでしょうか?
GLP-1を分泌しているのは、小腸下部の「L細胞」です。L細胞にはEPAが入ってくるとGLP-1を分泌する可能性があるのです。 食生活を見直してGLP-1の分泌量を増やすことで、糖尿病を予防できるというわけです。


■GLP-1が糖尿病予防に効くメカニズム

▼脳への働きかけ⇒食欲中枢を抑制
GLP-1が分泌されると「食べ物が小腸に入っているので、もう食べなくてもOK」というシグナルが脳に発信される。 これで「お腹がいっぱい」と感じるため、必要以上に食べ過ぎずに済む。

▼胃への働きかけ⇒消化した食べ物をゆっくり送り出す
早食いすると、血糖値が急上昇する。これは糖尿病リスクを高める原因。GLP-1が分泌されると、胃から消化物を送り出す スピードが緩やかに。時間をかけて食事しているのと同じ効果が得られる。

▼膵臓への働きかけ⇒インスリンの分泌を促進
血糖値が高いと、インスリンが血液中のブドウ糖を処理して、血糖値を正常な状態に戻そうとする。 GLP-1が働くとインスリンの分泌が促進されるため、血糖値を低く保つことができる。

▼青背魚のEPAで、小腸下部のL細胞を刺激
小腸下部のL細胞にはさば缶などに多く含まれているEPAの受容体が存在。 この受容体にEPAが入ると、GLP-1の分泌が促進される。

■糖尿病予防につながるさば缶の効果的な食べ方Q&A

【質問】さば缶は毎日食べないと予防効果はない?

【答】週に2~食を目安にするといいでしょう。
さば缶のEPAは脂質ですから、食べ過ぎは厳禁です。今まで揚げ物や、肉の油で摂っていた脂質を、さば缶に置き換えることで GLP-1の分泌量を増やしていくと考えてください。ちなみに、「さば缶ならいくら食べても太らない」 「さば缶を食べるほど血糖値が下がる」と考えるのは間違いです。 カロリーオーバーには十分注意しましょう。

【質問】生のさばを食べるよりさば缶がいいの?

【答】EPAが安定している優れものです
さばは時期によって、脂ののり具合が違ってきます。脂がのっている旬のさばには、EPAがたっぷり。 さば缶は旬に取れたさばを加工しているので、EPAの含有量は申し分ないのです。 さば缶なら手軽にサッと調理できるので、その点も優れた食品と言えます。

【質問】缶汁は捨てちゃダメ?

【答】缶汁にもEPAが含まれているのでぜひ活用を!
さば缶の缶汁にも身から流れ出たEPAがたっぷりと含まれています。さば缶の外側に「EPA量」が表示されていることがありますが、 缶汁を捨ててしまうと、この量は摂れません。缶汁はコクやうまみも抜群。使わなかった缶汁はみそ汁に入れるなど、 有効活用するといいでしょう。