インスリン分泌促進薬

インスリンの分泌量が不足している場合に使います。 インスリン分泌促進薬には、「スルホニル尿素(SU)薬」「速効型インスリン分泌薬」があります。


■インスリン分泌促進薬

インスリンの分泌量が不足している場合に使います。 インスリン分泌促進薬には、「スルホニル尿素(SU)薬」「速効型インスリン分泌薬」があります。

●スルホニル尿素(SU)薬

主に膵臓のβ細胞を刺激して、インスリンの分泌を促進させる作用を持つ薬で、「経口血糖降下薬」 のなかで最も多くの人に用いられています。経口薬では最も強力な血糖効果作用がありますが、 インスリンを分泌する機能が保たれている人にだけ有効です。


第一世代の「トルプタミド」「アセトヘキサミド」「クロルプロパミド」「グリクロピラミド」 「グリブゾール」、第二世代の「グリベンクラミド」「グリクラジド」、第三世代の「グリメピリド」 などの薬があります。現在は、第二世代と第三世代の薬が主に用いられています。

◆副作用・使用上の注意

少量から使い始めて徐々に増量しますが、ある程度血糖値が下がってくると、空腹時や食事の時間 が遅れたときなどに「低血糖」を起こすことがあるので、注意が必要です。


●速効型インスリン分泌薬

スルホニル尿素薬と同様に、膵臓のβ細胞を刺激してインスリンの分泌を促進する作用を持つ薬ですが、 服用後短時間でインスリンが分泌され、作用時間が短いのが特徴です。 「ナテグリニド」と「ミチグリニドカルシウム水和物」という薬があります。 単独で用いるほか、βグルコシダーゼ阻害薬などと併用することもあります。 スルホニル尿素薬とは併用できません。

食事のたびに飲む必要がありますが、自然な状態に近いインスリン分泌が期待できます。 血糖値の変動が大きく、食後に極端に高くなる場合、血糖値の急上昇を防ぐために用いることもあります。

◆副作用・使用上の注意

食事の直前(食前10分以内)に飲むことが大切です。30分以上の時間が空くと、食事を始める前に 「低血糖」を起こすことがあります。副作用で、軽い消化器症状が現れることがあります。 肝機能障害や腎機能障害のある人では、低血糖への注意が特に必要です。