糖尿病の最新治療④「薬と治療費の削減法」

糖尿病でかかる医療費はジェネリック薬や健康保険を上手に使えば半減も可能で、給付金まで出ます。


■薬と治療費の削減法

月1万円の自己負担で済む救済措置もある

糖尿病の治療には、多額のお金がかかります。糖尿病の医療費アンケート(糖尿病ネットワーク・2009年)では、 インスリン注射の治療を行う人の3人に1人が、医療費について「大変重い負担を感じる」と答えています。 医療費の自己負担額も月額で1万~1万5000円未満の人が47.1%、1万5000~2万円未満の人が20.3%、 2万円以上の人も少なくありません。こうした糖尿病の治療費を少しでも安くしたい、と思っている人は多いでしょう。 そこで、薬代の削減法から説明します。これは、今処方されている薬をジェネリック薬に変えるだけです。 ジェネリック薬とは、最初に開発された薬(新薬)の特許が切れた後、別のメーカーが同じ成分で作る薬のこと。 薬の厳しい審査が行われ、厚生労働省が認可します。薬の成分や効き目は新薬とほとんど変わりませんが、 薬を開発する莫大な費用が掛からない分、価格が安く設定されているのです。 どれくらい薬代が安くなるかは下記の表を参照してください。薬代が半分以下に減ることもあります。

ジェネリック薬を利用したい人は、医師に「ジェネリック薬に替えてもらえますか」と告げてみてください。 医師はジェネリック薬に替えても問題がなければ、これを処方してくれます。

次に、糖尿病が悪化した場合の治療費の削減法。インスリン注射を使うことになったり、合併症を起こしたりすると 入院や手術が必要になります。治療費も、月額で10万円を超えてしまいます。 このように多額の医療費がかかった時は、健康保険の高額医療費制度を利用しましょう。 これを使えば、一定の自己負担額を超えた医療費が戻ってきます。 例えば、病院に支払った医療費が月額30万円の場合、高額医療費として約21万円が戻ります(税制上の一般所得者の場合)。 高額療養費の詳しい内容や申請方法は、加入している健康保険の窓口(国民保険の場合は市区町村の役所)で確認してください。

合併症で人工透析が必要になった場合には、加入している健康保険の窓口に申請すれば自己負担限度額が月額1万円( 所得が多い人は2万円)になります。また、失明や足の切断など重い障害を負った場合は、厚生年金や国民年金から 障害年金が一生支給されます。支給額は、障害の程度によって異なります。
さらに、心身障害等福祉手当も支給されます。障害手帳1級、2級(または3級)の人などが対象です。 この手当の金額は、市区町村によって異なります。詳しくは、市区町村の役所の福祉課で確認してください。