メタボリックシンドローム予防・改善の運動療法
『メタボリックシンドローム』を予防改善するために 生活習慣に運動を取り入れることは、食生活を改善することと同様に大切です。 内臓脂肪は蓄積されやすいと同時に減らしやすいという特性を持っているので、 摂取カロリーを減らし、運動をすると効果が一層高まります。 運動は、日常生活での身体活動量を高めることが最も有効であると考えられ、その目安となるのは1日あたりの歩数です。 歩行運動は誰もが手軽に参加でき、低コストで安全と言え、1日1万歩を目標とすることが推奨されています。
■メタボリックシンドローム予防・改善の運動療法
1日1万歩を目標とすることが推奨されている
「メタボリックシンドロームを予防・解消」するためには、有酸素運動を1回に10~30分、 1日に計30分以上、週に3~5回で合計150分以上を目標に実践することが重要です。 また、減量時の除脂肪組織の維持、加齢による筋量や骨密度の減少を軽くするために、 筋力トレーニングを週に3回以上行うことが推奨されています。 運動は内臓脂肪減少だけでなく、LDLコレステロールの低下やHDLコレステロールの増加、 インスリン感受性亢進、血圧低下、酸化ストレス低下などを介して、冠動脈プラークの安定化に貢献します。
●メタボリックシンドロームの予防・改善に推奨される運動
メタボリックシンドロームの予防・改善のための運動方法としては次のような方法があります。
◆ボート漕ぎ(ローイングエクササイズ)
メタボリックシンドローム予防のために推奨されている運動は多様です。 さまざまな運動がある中で、注目されているのが『ボート漕ぎ(ローイングエクササイズ)』です。 屋内で行えるローイングマシーンによるエクササイズは、ヨーロッパやアメリカでは広く普及しており、 わが国でも最近では地域や民間のフィットネス施設などにローイングマシーンが設置されている場合もあります。 「ボート漕ぎ(ローイングエクササイズ)」は、有酸素運動とレジスタンストレーニングが同時に行える運動で、 メタボリックシンドロームの解消のためには最適な運動といえるでしょう。
ローイングエクササイズを行っている中年男性を対象に身体体力と身体組成、 メタボリックシンドロームのリスクファクターについて調査したある研究によると、 ローイングエクササイズを習慣的に行っている中高年者は、そうでない中高年者に比べて、 上半身の筋量や骨量、最大酸素量、および血中HDLコレステロールの値が高く維持されていました。 この結果から習慣的に行うローイングエクササイズは、メタボリックシンドローム予防のための運動として推奨できると考えられます。
【関連サイト】: 『ボート漕ぎ(ローイングエクササイズ)』
◆ウォーキング
運動で脂肪を効果的に燃焼させるコツは、激しい運動を短時間行うよりも、 「ウォーキング」などの軽い運動を長く続けることです。 脂肪は運動を開始してから15分くらいで燃え始め、徐々に燃焼の度合いが大きくなります。 疲れやすい体質で運動が苦手という人も、まずは身体を動かしてみましょう。 サプリメントの 「コエンザイムQ10」は抗酸化物質としてよく知られていますが、 疲労を少なくして持久力を高める働きも注目されています。
【関連項目】:『効果的なウォーキング方法』
◆スポーツ施設の利用
フィットネスクラブやスポーツジムなどの施設に通って身体を動かすのも気持ちがいいものです。 トレーナーが一人一人に合ったプログラムを作成し、指導してくれるところがたくさんあります。 機械を使ったトレーニングのほか、ヨガやダンス、プールなど、自分で興味を持った運動を始めるとよいでしょう。