虚弱体質を立て直す食品
『ウナギ』

ウナギには、血栓防止、コレステロール値低下作用のある 「EPA」、 脳細胞の活性化・認知症予防・抗がん作用・コレステロール値低下作用のある 「DHA」、 免疫力強化作用のある「ムチン」などが含まれています。


■「土用のうなぎ」には科学的な根拠があった

ウナギ ウナギは昔から栄養価の高い食品として、滋養強壮に用いられてきました。 土用のウナギは体力をつけ、夏バテ、夏痩せを防ぐために推奨されていますが、これには根拠があります。 ウナギは夏場の他の魚に比べて脂肪分が豊富で、体の抵抗力をつける ビタミンAがたっぷり含まれています。 同じビタミンAでも、野菜は吸収率が悪く、食べた量の半分も吸収されません。 これに対して、ウナギに含まれるビタミンA(レチノール)は、ほぼ全量が吸収され、ずば抜けて吸収率が高いのが魅力です。 ビタミンAはイワシの100倍、牛肉の200倍。しかもビタミンAは脂溶性ですから、油と一緒になると吸収されやすくなります。 夏場のウナギは脂分が豊富で、弱った体を元気づけるにはもってこいの食べ物なのです。


■食欲不振を解消し、元気をよみがえらせる

特にウナギは虚弱体質のお子さんには最適です。すぐに疲れて熱を出したり、体力がなく痩せているようなお子さんは、胃腸が弱いために食が細く、 偏食が激しいのも特徴です。ウナギを食べることで腰や足を温めて胃腸を治し、食欲不振を解消して、元気をよみがえらせます。 また、子供の癇の虫などにも効果を発揮します。そのほか、 疲労回復に効果があるビタミンB群や、 代謝をよくするヨードもたっぷり。 まさに、ウナギは、お子さんの体力増強、虚弱体質の完全に役立つ、優れた食品なのです。


■虚弱体質を改善する、ウナギの食べ方

▼虚弱体質、過労で、寝汗をかいたり微熱がある人に
ウナギ150gを浸るくらいの水で煮る。塩少々で味を調え、数日から数週間続けて食べる。

▼虚弱体質による神経衰弱に
ウナギをカラカラになるまで焼き、粉末にする。1日2回、3~6gずつ、白湯で飲む。または、ウナギの煮物を頻繁に食べる。

▼虚弱体質の体力改善に
ウナギをミンチ状にして、ヤマイモを吸ったもので固め、団子にする。これをスープ仕立てにして食べる。

▼虚弱体質の改善に
ウナギのかば焼き1枚を2cm幅くらいに切り揃える。卵2個にだし、砂糖少々を加え、ときほぐしながら混ぜる。 卵を半熟程度まで火を通してからウナギを加え、大きく2~3回混ぜ、素早く火を通す。頻繁に食べるようにする。


■体力をつけ、元気になるパワーが増大

ウナギは大人にも絶大な効果をもたらします。まず、ウナギには 動脈硬化心筋梗塞、脳血栓の予防に有効なEPA(エイコサペンタエン酸)、 脳の動きを活発にするDHA(ドコサヘキサエン酸)などの多価不飽和脂肪酸も豊富に含まれています。 また、老化を防ぐビタミンEもたっぷり備わっています。 そのほか、神経痛や リウマチ、女性の不正性器出血、痔疾、 慢性肝炎、蓄積疲労、かっけや胃腸カタルなどにも効果があります。 また、体力増強や回復力の強化に優れた効能を発揮するため、発熱を伴う消耗性疾患や長患いに悩む慢性疾患の回復にも有効です。

▼慢性肝炎で体力が弱ってきたときに
沸騰した湯にウナギ1尾を丸ごと入れ、2~3時間煮込む。脂が浮いてきたら掬い取り、その油に塩少々を加え、小さじ1/2ずつ1日2回、食後に飲む。

▼蓄積疲労、倦怠感に
ウナギ1尾を蓮の葉を敷いたせいろに並べ、15分蒸す。ウナギを取り出し、頭、尾、骨を除いてミンチにする。 さらに、弱火できつね色になるまで炒って、山薬(乾燥させたヤマイモ)50g加え、丸薬にする。 そのあと日干しにし、ハッカ10gを振りかけて密閉容器に入れる。 空腹時に5~6gずつ、ハッカ茶(または日本酒20ml)といっしょに1日2~3回飲む。

▼肺結核の早期回復に
ウナギ500gを2cm幅に切り、紹興酒1カップを加えて半量になるまで煮詰める。塩、酢各少々で味を調え、1日数回に分けて食べる。数日間、続ける。

▼視力減退、夜盲症に
ウナギ100~150g、黒クワイ7個(缶詰)を煮込み、1日1回食べる。