アトピー性皮膚炎によく効く食品
『ハトムギ』

ハトムギには、血糖値降下作用・免疫力強化作用のある「多糖類」、 抗腫瘍作用・皮膚の修復作用・滋養強壮作用のある「コイクセラノド」などが含まれています。


■穀物の中で群を抜く滋養パワー

ハトムギ ハトムギはムギと名が付いているものの、実はイネ科の植物です。漢方では惷苡仁(ヨクイニン)と呼ばれ、徳川時代に中国から入ってきました。 イネ科の植物の中では、最も滋養に富んでいます。 最初は薬用として用いられ、日本の古い医薬書には、イボ取りの特効薬としてハトムギが挙げられています。 現在でもハトムギから精製したヨクイニン錠剤やヨクイニンの成分入りの化粧品が市販され、ニキビや肌荒れ、イボ取りに効果があるとして知られています。 ハトムギは他の穀物に比べて、タンパク質や脂質を多く含んでいます。しかもそのタンパク質はアミノ酸のバランスが非常に良いのが特徴です。 ビタミンB2も豊富で、これは玄米以上です。他に カルシウムビタミンB1食物繊維などをたくさん含んでいます。


■胃腸が弱く、皮膚がデリケートな子供に最適

アトピー性皮膚炎は、免疫系の狂いにより発症するⅠ型アレルギーに属します。 誘因は食べ物、花粉、ダニなど様々ですが、体質によって皮膚の過敏の程度が違い、軽かったり、重かったりと症状も異なります。 以前は生後1~2ヵ月頃から頭に発症し始め、幼児期を経て、思春期までには治まってしまうケースがほとんどでした。 しかし、最近は成人型に移行する例や、成人になってから発症する人も増えています。 長い経過をたどるアトピー性皮膚炎は、胃腸をはじめとする消化器系に負担をかけ、消化器系が弱るとアトピー性皮膚炎が治りにくいといった悪循環に陥ります。
ハトムギは特に消化器の働きを促し、皮膚の新陳代謝を活発にするとともに、体内の余分な水分や毒素を排出する手助けを積極的に行います。 アトピー性皮膚炎には大きく分けて、夏場に悪化するジクジク型と冬場に悪化するカサカサ型がありますが、ハトムギはその両方に効果を現します。 特に胃腸が弱く、そのために皮膚がデリケートになっているお子さんには有効です。


■アトピー性皮膚炎に効くハトムギを使った「台所の医学」

▼ジクジク型のアトピー性皮膚炎に
乾燥したドクダミ15gと皮を取った惷苡仁30gを水3カップで半量になるまで煮詰め、1日2~3回に分けて飲む。 お子さんが飲みにくそうなら、氷砂糖一塊を加えて溶かしてもよい。

▼アトピー性皮膚炎の体質改善に
干しシイタケ3個を水で戻して細く切り、ハトムギ60g、水3.5カップと一緒にお粥にして食べる。

▼カサカサ型のアトピー性皮膚炎に
ハトムギ60gと黒ゴマ9gを、水3.5カップでお粥にして食べる。1~3ヵ月は続ける。


■胃腸の働きを促し、胃腸の機能を整える効果も

ハトムギは大人が使っても素晴らしい作用があります。 まず、胃腸の機能を整えながら、腎臓の働きも促し、水分の代謝をよくするので、尿の出がよくなり、むくみが解消します。 また、美容面でもうれしい作用があり、常食すると肌が滑らかになり、シミ、ソバカス、肌荒れにも改善効果が現れます。 最近、ハトムギには細胞の異常発育を抑える作用があることが判明し、癌を抑える処方の中でハトムギを加えた薬も登場しています。

胃癌子宮癌の予防に
惷苡仁25~50g、菱の実100~150gを水5カップでドロドロになるまで煮詰め、1日2回に分け、温めて飲む。 前癌細胞の増殖抑制に効果的。

尿路結石膀胱炎、尿道炎に
ハトムギの全草(実、葉、茎、根)を新鮮な全草なら250g、乾燥した全草なら125gを水5カップで半量になるまで煮詰め、 1日2~3回に分け、温めて(夏場は冷まして)飲む。

▼ソバカス、ニキビ、湿疹に
惷苡仁50gとユリ根10gを水3.5カップで煮て、沸騰したら弱火にし、小1時間煮詰める。 液が1/2~1/4になったら弱火にし、ハチミツ適宜を加えて食べる。1~3ヵ月続けると、皮膚がすべすべになる。

▼イボに
惷苡仁50gを水4カップで半量になるまで煮詰め、1日2回に分けて飲む。10日を1クールとして1~3クール繰り返す。