自律神経失調症
症状はあるが、病気が特定できない
■症状と特徴
あれこれ症状を訴えるものの、検査をしても異常を発見できず、病気が特定できない場合を、自律神経失調症という病名でひとくくりにしています。 症状としては、①疲れる、だるい、のぼせる、冷える、不眠・惰眠などの全身症状、②めまい、頭痛、痺れなどの脳神経の症状、 ③立ちくらみ、顔の紅潮、不整脈、動悸など循環器系の症状、④息切れ、あくび、咳、喉の不快感などの呼吸器の症状、 ⑤吐き気・嘔吐、胃の不快感、胸焼け、下痢、便秘、腹部膨満、食欲不振などの消化器系の症状、 ⑥肩こり、腰痛、背部痛、足の痛み、後頭部の筋肉痛などの運動器の症状、 ⑦発汗、青白い顔、指先の冷え、頭痛紅潮などの皮膚の症状、⑧頻尿、勃起不全などの泌尿器・生殖器の異常、 ⑨あせる、イライラする、不穏、無感動、無表情、集中力の低下などの精神面の症状が挙げられます。 これらの症状は午前中に強く現れ、夜間には消えて、元気になるという傾向があります。
■原因
人間関係の悩みや仕事の不満、家庭内での葛藤などからくる心身のストレスや、不規則な生活、環境の変化などが原因になります。 特に、女性の場合、妊娠中や更年期には自律神経失調を起こしやすく、内向的で社会へ適応できにくいタイプは自律神経を乱しやすいようです。 一般に自律神経失調症は、精神的にも自律神経にも異常がない場合、ストレスなど、心理的な問題が、体の不調となって現れる場合、 自律神経そのもののアンバランスが原因で症状を引き起こしている場合に分けられます。
■治療
症状に応じて、自律神経調整薬や抗不安薬、抗うつ薬などの薬物療法に、温熱療法・寒冷療法、温泉療法、マッサージなどの理学療法を取り入れて 症状を和らげ、カウンセリングによる心理療法や認知療法でストレスを回避し、自律訓練法などでセルフコントロールします。