■花粉症対策
早めの対策で花粉症を軽減
止まらない鼻水やくしゃみ、目のかゆみ等々、『花粉症』のつらい症状が現れるとき、体の中では次のようなことが起こっています。
1.花粉が体内に入る
2.抗原提示細胞が花粉の成分を異物と認識する
3.リンパ球T細胞が刺激され、サイトカインを分泌する
4.リンパ球B細胞がサイトカインに反応してIg抗体をを生産する
5.IgEが肥満細胞(マスト細胞)に結合する
6.新たに体内に入ってきた抗原(花粉)とIgE抗体が反応する
7.肥満細胞からヒスタミンなどの刺激物質が遊離し、鼻水などの症状を引き起こす
そこでまずできる対策は、1の段階で花粉の侵入を防ぐこと。
マスクの着用や、家に入る前に衣服に付いた花粉を払うなど、面倒くさがらずに徹底して行いましょう。
花粉症の治療薬としては、6の段階で作用するヒスタミンの力を弱める「抗ヒスタミン薬」や、
「ヒスタミンの遊離を抑える遊離抑制薬」、3で分泌する「サイトカインを抑える薬」などがありますが、
特に「舌下免疫療法」が有効で、7~8割の人に効果があるとされています。
花粉が飛散する前から服用すると予防効果があるものも多いので、早めに医師に相談するとよいでしょう。
薬は苦手で、できるだけ自然に近いものを利用したいという人もいるでしょう。
たとえばドイツなどでは、ハーブのネトルが花粉症などのアレルギー症状によく利用されています。
ある種の植物・樹木の成分には花粉症の症状を緩和するといわれるものがあり、
最近ではサイトカインの生産を抑えるといわれる成分も注目されています。
この仕組みはまだ明確には確認されていませんが、今後、こうした植物の力を利用する研究はさらに進められていくでしょう。