高血圧対処法『減塩』

●高血圧がある人は、1日の食塩摂取量を6g未満にする。
●調味料を計算したり、塩分の多い食品を控えることが大切。
●”万能だし”を活用したり、素材の旨味を活かせば、美味しい減塩食になる。


■減塩

高血圧改善のためには、積極的に取り組むことが大切

食塩の摂り過ぎは、高血圧の最も大きな要因の1つです。 日本人の食塩摂取量は徐々に減っていてはいますが、世界的に見るとまだ多いのが現状です。 厚生労働省の調査によると、日本人の1日の食塩摂取量は、男性が平均11.4g、女性が平均9.6gとなっています。 男女を合計した全体の平均は10.4gで、多くの人が、1日に10g以上の食塩を摂っていると考えられます。
高血圧がある人の場合、1日の食塩摂取量は6g未満にするのが基本です。食塩摂取量を1g減らすと、 収縮期血圧が平均で1mmHg下がる効果が期待できます。高血圧を改善するためには、積極的に減塩に取り組むことが大切です。



■減塩のポイント

減塩を始めるにあたっては、次の3つのポイントに注意します。

①調味料はしっかり量る
塩や醤油などの調味料は、目分量や味加減に頼るのではなく、1mL、0.5mL、0.3mLといった単位で量れる計量スプーンなどで、 正確に測って使います。このように細かく計算して調味料を用いれば、食塩の量を少しずつでも確実に減らすことができます。

②食塩の多い食品は控える
特に次の食品は食塩を多く含んでいるので、できるだけ控えるようにします。
▼麺類・汁物
ラーメンはスープも含めると、食塩量が約6gになります。みそ汁も一般的なものでは、1杯につき約2gの食塩が含まれます。 ラーメンを食べる場合は、スープを残すようにし、みそ汁は味噌の量を減らしたり、具をたくさん入れてかさを増し、 汁の量を少なくします。
▼加工食品
食塩摂取量は、家庭で使用する調味料からよりも、加工食品から摂る方が多いといわれています。 練り製品や加工肉、魚の干物のほか、漬け物、佃煮、梅干しなどは食塩を多く含みます。
▼外食や調理済みの食品
これらは食塩を多量に含んでいることが多いので、注意しましょう。 最近は、含まれるの量を表示する食品も普及してきましたが、大部分は「ナトリウム」の量で表示されています。 その場合は、ナトリウムの値を2.5倍すると、おおよその食塩の量を算出することができます。

③食べ過ぎない
味を薄くしたりして減塩しても、食べる量が多いと減塩する食品の量は多くなります。 減塩のためには、食べ過ぎないように気を付けることも大事です。
▼減塩しても惜ししく食べられる
減塩すると味気がなくなると思われがちですが、塩分控えめの”万能だし”を活用したり、調理方法を工夫したりすれば、 塩分が少なくても美味しく食べることができます。

●効果的に行うために

日常生活での食塩摂取量をしっかりと把握する

減塩を効果的に行うためには、1日にとっている食塩の量を知ることが大切です。食塩摂取量を調べる方法は2つに分けられます。

▼食事内容を細かくチェックする
食べた食品に含まれる食塩の量を、1つ1つチェックします。自分で調べることもできますが、医療機関の管理栄養士に 確認してもらうことも可能です。

▼尿中ナトリウム量を調べる検査を受ける
摂取した食塩のほとんどは、尿に排出されます。そのため、尿中のナトリウムを測定すれば、1日の食塩摂取量を調べることができます。 最も正確なのは24時価の尿をためて測る検査です。その他に1回の尿に含まれるナトリウム量から食塩摂取量を推測する、 簡便な検査もあります。 最近は、「塩分摂取量簡易測定器」を使い、自分でも調べられるようになりました。 専用の容器に8時間分の尿をためてセンサーを設置し、ボタンを押すと、自動的に推測値が表示されます。

これらの方法で食塩摂取量を調べ、食塩を摂り過ぎていることがわかった場合は、直ちに減塩に取り組みましょう。