■月に1回ほど血圧が下がります

夫のことでお聞きします。夫は高血圧で、毎朝薬を飲んでいます。 普段は上(収縮期血圧)が165~170mmHg、下(拡張期血圧)が120~130mmHgですが、月に1回ほど血圧が下がります。 朝起きた時に「めまいがする」というので血圧を測ると、上が100mmHg、下が70mmHgくらいになっています。 血圧が低いときは薬を飲まないようにしています。血圧は2日ほどで元に戻るのですが、原因は何でしょうか。


【答】

高血圧のある方は、血圧を調整する力が低下しているため、血圧の変動が大きく、血圧が低下することもしばしばみられます。 特に高齢者では血圧の変動が大きくなりやすく、血圧が低下したときに「めまい、全身倦怠感、意識が飛ぶ感じ」などが生じたり、 転倒したりすることがあります。 血圧が低下する原因で多いのは、立った時に血圧が低下する「起立性低血圧」や、食後30分~2時間ごろに生じる「食後低血圧」です。 これらの低血圧は、起立前や食前に比較して、上の血圧が20mmHg以上低下したときに診断されます。 その背景に自律神経障害や、神経障害を有する糖尿病などが隠れていることもありますが、 入浴や飲酒など血圧を低下させる生活習慣によって低血圧が増強される場合もあります。 飲酒後2時間以内の入浴で、上の血圧が20mmHg以上低下することはしばしばみられます。

一般に高血圧の患者さんの血圧低下は個人差が大きく、日によっても大きく異なります。 また、風邪気味、食欲不振、脱水など血圧低下に繋がる要因がいくつか重なったときに、大きな血圧低下が生じやすくなります。 例えば、冬場に風邪気味であるにも関わらず、外出先で飲酒して多尿になり、脱水傾向になった状態で降圧薬を服用し、 さらに寒い室外から暖かい室内に入って入浴したような場合は、血圧が大きく低下して転倒、場合によっては 脳卒中に繋がることもあります。

対策としては、家庭血圧を測定して「どの時間帯に」「どのような原因が重なったときに」「血圧がどの程度低下するのか」を、 日記に記録しておくとよいでしょう。後で日記を見返してみて、血圧低下を引き起こす要因とその組み合わせを明らかにし、 今後それらの要因が重ならないように気を付けることが重要です。 また、降圧薬を日単位で調節することは、避けた方がよいでしょう。 降圧薬を服用したりしなかったりすると、血圧の変動がさらに大きくなる恐れがあるからです。 低血圧になったタイミングで薬を中止するのではなく、めまいなどの症状がなくても上の血圧が100mmHg未満になる場合や、110mmHg未満で症状が出る場合は、 担当医に相談し、毎日服用する降圧薬の処方を、低血圧が生じる時間帯に最も降圧効果が弱くなるように工夫してもらうとよいでしょう。


(この答えは、2019年3月現在のものです。医療は日々進歩しているので、後日変わることもあるのでご了承ください。)