■血圧は薬でどこまで下げれば安全といえますか?

【答】

高血圧をどこまで下げるかという降圧目標は、一言でいえば、「最大血圧140ミリ未満、最小血圧90ミリ未満(病医院で測る場合)」です。 ただ、これは、年齢や持病の有無などで変わります。例えば、高齢者の場合、高い血圧を急激に降圧目標の数値まで下げると、 めまいや腎機能の悪化、狭心症などを招くことがあります。そのため、日本高血圧学会では75歳以上の高齢者に対して、 最大150ミリを目標に、ゆっくり血圧を下げるよう推奨しています。その後、状態を見ながら140ミリ未満を目指すのです。 若年者や中高年者では最大血圧130ミリ未満、最小血圧85ミリ未満が目標となりますが、できることなら至適血圧(最大120ミリ未満、 最小80ミリ未満)まで下げることが勧められています。

腎臓病や糖尿病を併発している人や心筋梗塞を起こした人では、それらの病気の悪化や再発を防ぐため、 厳しい降圧目標が設定されます。 ただ、特に腎臓病や糖尿病を患う人では血圧が下がりにくいという状況があります。そうしたことを加味し、少なくとも最大130ミリ、 最小80ミリを降圧目標とすべきです。脳血管障害のある人では血圧を下げ過ぎると脳卒中などの危険があるので、最大血圧140ミリ未満、 最小90ミリ未満が目標となります。なお、血圧を家庭で測る場合は、これまであげた降圧目標から最大最小それぞれ5ミリ引いた数値を 基準としてください。これは、家庭用血圧計では血圧が低めに設定される傾向があるためです。