■仕事や人間関係で心労やストレスが重なると血圧が上がります。どの降圧薬が適していますか?

【答】

ストレス性の高血圧には、α遮断薬β遮断薬が適しています。 強いストレスを感じたり興奮したりすると、自律神経のうち、心身の働きを活発にする交感神経が優位になります。 すると、交感神経の末端からノルアドレナリンというホルモンが分泌され、血管にあるα受容体と心臓にあるβ受容体に結合します。 その結果、心拍出量や心拍数が増え、血管も収縮します。すると、血管の内腔が狭まるのに、流れる血液の量は多くなるため、 血管壁が強く圧迫されて血圧が上昇するのです。

α遮断薬・β遮断薬は、ノルアドレナリンより先にα受容体やβ受容体に結合して、心拍出量や心拍数を減らし、 血管を拡張させて血圧を下げます。β遮断薬を使用する場合、心不全のある人では心拍数が減りすぎる危険があるため、 少量から始めます。また、気管支ぜんそくの人は服用できません。脂肪や糖の代謝に悪影響を及ぼすことがあるため、 脂質異常や糖尿病の人にも向きません。 なお、ストレス性高血圧の治療では、原因となるストレスをためないことが大切です。 適度な運動を行ったり、声を出して笑ったりするのは、手軽で効果的なストレス解消法といえます。

▼関連サイト
『β遮断薬』
『α遮断薬』