■高血圧以外にも持病があり、薬を服用しないといけません。降圧薬と相性の悪い薬はありますか?

【答】

複数の薬を服用する場合、それぞれに含まれる薬の成分同士が反応して、作用が強すぎて体調を崩したり、 逆に作用が弱まって治療効果が上がらなくなったりすることがあるので十分注意が必要です。 例えば、一般的な風邪薬や鎮痛薬として、病院などで処方される非ステロイド系の消炎鎮痛薬の「NSAIDs」は、 降圧薬のβ遮断薬やACE阻害薬、利尿薬と併用すると降圧効果が弱まることが知られています。

また、胃酸の分泌を抑えるヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)と、カルシウム拮抗薬やβ遮断薬を共に飲むと、 降圧作用が増強され、血圧が下がりすぎる恐れがあります。血圧が過度に低下すると、心拍数が上がって頭痛やめまいが起こったり、 時には危険な状態に陥ったりすることもあるので注意しましょう。

その他、β遮断薬は糖尿病治療のための血糖降下薬と一緒に服用すると、血糖降下薬の副作用である低血糖を起こしやすくなります。 また、ぜんそく治療薬であるβ刺激薬とともに服用すると、お互いの効果が打ち消し合ってしまうため、禁忌とされています。

薬の飲み合せに関しては、薬局でもらえるお薬手帳を活用してほしいと思います。 これに薬の記録をすべて残しておけば、医師が薬を処方する際の参考になり、安心して降圧薬を服用できるでしょう。