ブルーベリー
アントシアニンを豊富に含む食品
疲れ目や視力低下を防止
ブルーベリーの果実から抽出された成分には、 眼精疲労の回復や網膜の保護といった効果があります。 臨床試験では、糖尿病網膜症や 夜間視力の改善といった作用が報告されてきました。基礎研究では、抗癌効果も示唆されています。 有効成分として、青紫色の色素成分であるアントシアニン類が注目されています。
ブルーベリーはツツジ科の落葉小低木で、原産地は北米からカナダにかけての一帯です。 第2次世界大戦中に、英国空軍のパイロットがブルーベリージャムを食べていたら、 薄明かりの中でもスムーズに行けたと報告したことから、ブルーベリーの研究がされるようになりました。 ブルーベリー は疲れ目や視力低下を防ぐものとして研究されています。 人間の目にはロドプシンという紫色の色素があります。その色素の働きで物が見えるのです。 しかし、ロドプシンは加齢や酷使によって減少するため、見えづらい・ぼやけるといった症状が現れることがあります。 ブルーベリーに含まれるアントシアニンは、このロドプシンの再合成を助ける働きがあります。 野生のブルーベリーエキスには、アントシアニン配糖体と呼ばれる成分が多く含まれています。 ブルーベリーの中でも、北欧の強い日差しの中で育つ「北欧産ビルベリー」は 目にいい成分のアントシアニン(アントシアニジン)」が国産のブルーベリーの5倍も含まれています。
●期待される効能
●作用メカニズム
ブルーベリーの有効成分は、アントシアニン類、カテキンやプロシアニジン類、ケルシトルリンなどのフラボノイド類、クロロゲン酸などで、 いずれもファイトケミカルです。特にアントシアニン類が重要と考えられます。 基礎研究において、血管保護作用、抗浮腫作用、抗酸化作用、抗炎症作用、血小板凝集抑制作用が認められています。 ブルーベリーのアントシアニン類が、網膜のロドプシン再合成を促進し、夜間視力を回復すると考えられています。 なお、ブルーベリーサプリメントの中には、VMA配合と記載されている製品があります。 VMAというのは、サプリメントに用いられるブルーベリーの学名の頭文字(VM)とアントシアニンの頭文字(A)に由来する略語です。
●科学的根拠
ブルーベリーの血管保護作用に関して、25%アントシアニン類として調整されたサプリメントを投与することによって、 糖尿病性網膜症や高血圧性網膜症が改善され、ブルーベリーによる網膜保護作用を認めたというデータがいくつかの臨床試験で示されました。 例えば、14名の糖尿病性網膜患者にブルーベリーサプリメントを1ヵ月間投与したところ、網膜の状態が改善し、特に副作用は認められませんでした。 加齢性白内障に対する効果も報告されています。例えば、50名の高齢者を対象にした臨床試験では、ブルーベリー(25%アントシアニンを360mg)と ビタミンEサプリメントを4ヵ月間投与したところ、 白内障の進行が抑えられたといいます。 また、学童期の受験生を対象にしてブルーベリーを長期投与した研究では、調節性近視・仮性近視の改善効果が示されました。 その他、緑内障や 網膜色素変性症といった目の病気、 動脈硬化性疾患の予防にも効果があると期待されています。
●摂取方法
25%アントシアニンとして調整された、ブルーベリーのサプリメントを利用します。 なお、米国では、「ビルベリー」と呼ばれることが多い(野生種をビルベリーと呼ぶ)ようです。
●注意事項
通常の食材に由来する成分であり、問題となる健康被害や副作用は知られていません。 ほかのサプリメントや医薬品との相互作用は報告されておらず、使用は問題ないと考えられます。