【答】

頻尿とは、一般的に「朝起きてから就寝までの排尿回数が8回以上」の場合をいいます。 排尿量は水分を飲む量や汗の量などによって変動しますが、通常は1日に1～1.5L程度とされています。 頻尿の原因としては、多尿（尿量が多いこと）、残尿（排尿した後にも膀胱に尿が残ること）、 過活動膀胱、 膀胱炎、 膀胱癌などさまざまなものがあります。 ご質問者の場合は、1日の尿量が1.2L以上で、12回以上の排尿があるということですから、頻尿でお困りのことと思います。 「前立腺肥大症」と診断されていらっしゃるので、 前立腺肥大症による排尿困難のために残尿が多くなっていることが推測されます。 残尿が多いとすぐに膀胱に尿がたまって尿意を覚えるために、頻尿になるのです。 また、前立腺肥大症は、しばしば「過活動膀胱」を併発します。 過活動膀胱とは、急に強い尿意を覚えて（尿意切迫感）トイレに駆け込むような症状を来す状態で、頻尿になったり、 場合によっては尿を漏らしてしまったりすることもあります。 何らかの原因により膀胱がコントロールを失ったような状態となり、少量の尿で膀胱が過剰に収縮してしまうために、 我慢できないような強い尿意切迫感が急激に起こるのです。 過活動膀胱は、加齢による老化現象として起こったり、前立腺肥大症のために膀胱が過敏になったりして発症しますが、原因不明のことも少なくありません。 まずは、泌尿器科で診察を受けて、残尿の有無や量、過活動膀胱の有無などについて調べることをお勧めします。その結果で治療法や対応方法が違ってきます。 また、尿に血が混じったり（血尿）、排尿時に痛みを感じたりする場合には、膀胱癌や膀胱炎の可能性がありますので、検査が必要です。 ご自分で気を付けることとしては、冷えたり、水分を一度に摂ったりすると尿量が増えて頻尿になりますので、 暖かくして水分はこまめに摂るように心掛けてください。 また、塩分を摂り過ぎるとのどが渇いて水分を飲み過ぎてしまうので、塩分量にも注意が必要です。

（この答えは、2020年4月現在のものです。医療は日々進歩しているため、後日変わることもあるのでご了承ください。）