漢方薬で症状改善『皮膚のトラブル』

皮膚のかゆみや炎症漢方薬が効果を発揮することがあります。


■長引いたり、再発を繰り返す場合に有効

湿疹など、皮膚の症状が長引いている場合、漢方医学(以下、漢方)による治療が役立つことがあります。 西洋医学による治療では通常、炎症やかゆみなどの症状を抑える薬が使われます。 こうした薬で治ることもありますが、中には再発を繰り返してしまうケースもあります。 それは、皮膚症状を起こしやすい体質が改善していないためです。 漢方では、皮膚の症状は、体の中で起きた異変が皮膚に反映された結果だと考えます。 そのため、患者さんの皮膚症状だけでなく、体質や体力、全身の状態や症状などを総合的に診て、漢方薬が処方されます。 体質が改善すると、皮膚症状は起こりにくくなります。 ただし、治療にはある程度の期間が必要です。皮膚症状が治まっても、自己判断で薬を飲むのをやめてしまうと、再発することがあります。 体質や全身の状態が改善するまでは、漢方薬を飲み続けましょう。


●皮膚のトラブル①湿疹

アトピー性皮膚炎を始め、「湿疹」を伴う皮膚トラブルは多いものです。 湿疹とは、何らかの刺激によって皮膚に炎症が起こり、ブツブツやカサカサ、腫れなどの症状が現れる皮膚症状のことです。 多くの場合、かゆみを伴います。西洋医学による治療では一般的に、炎症を抑えるステロイド薬の塗り薬と保湿剤が使われます。 強いかゆみには抗アレルギー薬などの飲み薬が併用されます。 こうした治療で治ることもありますが、季節の変わり目やストレスを感じた時に再発を繰り返すことが多くあります。 長引く湿疹に対して漢方では、「カサカサして乾燥している」「分泌物が多くジクジクした状態」「化膿している」など皮膚の症状を見極め、 さらに体質や全身の状態も診て、患者さんに合う漢方薬を処方します。 漢方薬を使い始める際の注意点として、ステロイド薬を使っている場合は、急にその使用を中止すると炎症が再発したり、一気に悪化することがあります。 最初はステロイド薬と漢方薬を併用し、皮膚の状態がよくなってきたら、医師と相談の上、ステロイド薬を作用の弱いものに切り替えたり、 塗る量を減らしたりしていきます。

湿疹


●皮膚のトラブル②高齢者の皮膚の乾燥・かゆみ

高齢者の皮膚のかゆみの原因として多いのが、「老人性皮膚そうよう症」です。 加齢とともに皮脂の分泌量が減ると、皮膚が乾燥しやすくなり、皮膚のバリア機能が低下します。 すると、空気の乾燥など様々な要因が皮膚を刺激し、かゆみを引き起こします。 特に冬は乾燥しやすく、脛や腰回り、腕などでかゆみが強く現れます。 西洋医学では、かゆみを抑える抗アレルギー薬などの飲み薬や保湿剤で治療します。 漢方では、症状に加えて、皮膚の分泌量が多いか少ないか、体力はあるかないかなどの点も考慮しながら漢方薬を処方します(下図参照)。 老人性皮膚そうよう症の場合、どの薬を使うかに関わらず、基本的なケアとして、保湿剤を塗って皮膚を乾燥から守ることが大切です。 また、皮膚が刺激されるとかゆみが増すので、汗をこまめに拭く、熱い時期はなるべく汗をかかないようにするなどの工夫をしましょう。

皮膚の乾燥・かゆみ


●皮膚のトラブル③にきび

思春期にできやすい「にきび」は、皮脂の分泌量が増えることが一因で起こり、下図のような状態に分けられます。 にきびの治療では、多くの皮膚科医が西洋薬と漢方薬を併用しています。 患部には西洋薬の塗り薬を使い、原因となる体質や全身の状態を改善するために漢方薬を使っています。

にきび