糖尿病や慢性疲労を予防改善する食品
『空心菜(クウシンサイ)』

空心菜(クウシンサイ)には、血糖降下作用・大腸癌の予防・便秘の改善作用のある「食物繊維」、 肝機能を増強する作用のある「ナイアシン」、活性酸素除去作用・消炎作用・鎮痛作用のある「フラボノイド」などが含まれています。


■茎が空洞になった、味や香りにクセのない野菜

空心菜(クウシンサイ) クウシンサイは、茎が空洞になっているため、中国語では「空心菜(コンシンツァイ)」や「通菜(トンツァイ)」とも呼ばれています。 クウシンサイは、中国をはじめ、フィリピン、ベトナム、マレーシア、インドネシアなどの東南アジア一帯で食べられているほか、 オーストラリアでは、先住民族アボリジニの間で、古くから食べられてきた歴史の古い野菜です。 日本では、沖縄や九州など、暖かい地方で栽培されています。 味にはほとんどクセがなく、独特の匂いや香りもなく親しみやすい野菜です。中華、エスニック料理店では、炒め物として食べるのが人気。 和食では、茎のてんぷら、味噌汁・吸い物の具、おひたし、あえ物、卵とじ、オムレツ、サラダ、なべ物など、あらゆる料理に利用できます。


■ホウレンソウの約2倍のカルシウムが含まれている

クウシンサイの栄養価は、 ホウレンソウと比較すると、 カルシウムは約2倍、 ビタミンAは5倍、 ビタミンB群ビタミンCは2倍含まれています。 他にも、 カリウム、 β-カロテン(ビタミンAの前駆体)、 食物繊維ポリフェノールなどが、 ホウレンソウと同等含まれており、とても栄養価の高い野菜といえます。

クウシンサイの効能で特筆すべきは、熱を冷ますことと解毒する作用です。 また、空心菜はアルカリ性食品で、カリウムを含み、食後に腸内の酸が高まるのを予防し、腸内の菌の乱れを安定させるのを助けます。 クウシンサイに含まれるニコチン酸や、ビタミンC、さらにペクチンなど食物繊維は、 コレステロールの低下に役立ちます。 また、中性脂肪を減らすのも助けます。 クウシンサイの鮮やかな緑のクロロフィル(葉緑素)は、「緑の妖精」とも呼ばれ、口臭を抑えて爽やかな息にし、皮膚を健康に保つ効果があります。 さらに、クウシンサイの茎には、セルロースが豊富です。腸の運動を活発にして消化を促進し、お通じを良くして解毒作用を強力に後押しします。 また、クウシンサイは感染予防にも効果的で、黄色ブドウ球菌や連鎖球菌を抑える働きもあります。 夏の暑い時期には、疲労回復と同様、食中毒防止にも一役買っているのです。


■クウシンサイの利用方法

クウシンサイは、胃腸の炎症を鎮める働きがあります。 また、炎症によって熱を出したり、体液が熱によって濃縮されるためになって(それを薄めようと)口内が渇いたり、 尿が濃くなっているときや便に血が混じっているときに、その治療を補佐してくれます。 クウシンサイを煎じたスープを飲めば、解毒効果もあります。また、汁を煮詰めてドロドロにして、軟膏のようにも使えます。 血圧にもよく、血糖値の調整にも働くので、生活習慣病予防や、 アレルギー体質の改善にもなります。 ただし、クウシンサイは体を冷やすので、冷え性の人はトウガラシやニンニクをプラスしましょう。

▼なかなか止まらない鼻血を止めたいときに
クウシンサイの茎5~6本を砂糖適量と突き崩し、沸騰させた湯200mlに入れ、1回につき100ml飲む。

▼血尿や血便に
クウシンサイの葉と茎をきれいに洗い、突きつぶして汁を取り、ハチミツ適量を加えて、1日につき5ml飲む。

▼各種の痔に
鍋にクウシンサイ1kg、水1kgを入れて煮る。しんなりしたら、砂糖120gを加え、飴状になるまで煮詰める。 食事のたびに90ml食べる。または、1日2回、朝晩に分けて食べる。

蕁麻疹(じんましん)の対策に
クウシンサイとサトイモを一緒につきつぶし、ガーゼに塗り患部に当てる。

▼湿疹やおできでただれた場合に
クウシンサイをドロドロになるまで煮詰め、ハチミツを混ぜ、ガーゼに塗布して患部に貼る。

▼皮膚に汁が出てかゆみを抑える
クウシンサイを煎じて数回沸騰させ、やや温かいぐらい(人肌程度)に冷まし、患部を洗うように塗る。1日1回程度。

▼毒虫や毒蛇に噛まれたときに
クウシンサイをよく洗い、突きつぶした汁茶碗1/2量とその半量の酒を混ぜ合わせ30ml飲み、残りを患部に塗布する。

▼ムカデに噛まれたとき
クウシンサイと塩少々を手で揉んでつぶし、ぐじゅぐじゅになったら患部にこする。