【質問】「ぶどう膜炎」と診断されました

目がかすみ、「飛蚊症」のような症状があったので、眼科を受診しました。 「ぶどう膜炎」とのことで、飲み薬と点眼薬が処方されました。 治療開始から半年が過ぎましたが、症状は全く変わりません。ぶどう膜炎は治るまでに長くかかるのでしょうか。 この病気について詳しく教えてください。


【答】

まず、目のかすみと「飛蚊症」を自覚され、眼科を受診されたということですが、 非常に大事なことです。 目のかすみも飛蚊症もよくある症状ですが、怖い病気が隠れている場合があります。 目のかすみは、「眼精疲労」のほか 「白内障」 「ドライアイ」 「老眼」でも起こります。 しかし、 「緑内障」や「ぶどう膜炎」といった病気が隠れている場合があります。 飛蚊症は、物を見るときに黒い虫やゴミのようなものが動いて見える状態のことです。 年齢変化などで起こる生理的な飛蚊症は特に治療の必要はありませんが、まれに網膜に孔が開く 「網膜裂孔」や「網膜剥離」、 ぶどう膜炎などの病気が原因で、早急に治療が必要な場合もあります。

ぶどう膜炎とは、眼球を包み込むように広がっている脈絡膜と毛様体、虹彩に炎症が起こるものです。 原因としては「ベーチェット病」「サルコイドーシス」「原田病」、腸疾患、皮膚疾患、ウィルス感染などが原因になっている場合もあります。 原因がわからない場合も2~3割程度あります。ぶどう膜炎による目のかすみは、炎症によって集まった細胞成分で目の内部が濁ることにより生じます。 飛蚊症は、炎症で生じた眼球内の濁りや浮遊物によって生じます。飛蚊症は、一度生じてしまうと、なかなか消えません。

ぶどう膜炎に対し、飲み薬と点眼薬を半年間使用されていますが、追加で必要な点眼薬や飲み薬は、ぶどう膜炎の種類や病状によって異なり、 一概に申し上げることは難しいと思われます。また、残念ながら目のかすみや飛蚊症のみを取るという点眼薬や飲み薬はありません。 ぶどう膜炎の原因をよく調べ、ぶどう膜炎に対する治療により炎症が改善すれば、目のかすみや飛蚊症も次第に軽快してくると思われます。 しかし、ぶどう膜炎の中には、治療に長い時間を要する病気が原因であるものもあるため、気長に通院を続け、指示通りに飲み薬と点眼を続けることがとても大切です。 症状に変化がないからと自己判断で治療を中断すると、悪化する場合もしばしばあります。 ぶどう膜炎の原因は、上記の通り多岐にわたり、時には原因の診断が非常に難しい場合もあります。 もし、半年間症状が変化せず心配な場合や、ぶどう膜炎の原因を詳しく調べるために、担当医とよく相談し、 一度、ぶどう膜炎に詳しい医師のいる大学病院などの医療機関に紹介してもらうのもよいかもしれません。

(この答えは、2017年10月現在のものです。医療は日々進歩しているので、後日変わることもあるのでご了承ください。)