口内炎を速やかに鎮める食品『ナス』

ナスには、抗酸化作用、抗癌作用、高血圧・動脈硬化予防作用のある「ナスニン」、 抗酸化作用、虚血性心疾患予防作用のある「ポリフェノール」、抗癌作用のある「アルカロイド」が含まれています。


■「秋茄子は嫁に食わすな」は、嫁いびり・嫁思い?

ナス 「一富士二鷹三茄子」は、初夢に見る縁起がいいものの順。一番が富士山、二番が鷹、三番がナスということになっています。 しかし、これは駿河国(現静岡県中央部)の名物を順に並べたものといわれています。 「秋茄子は嫁に食わすな」は、秋茄子は格別においしいので、憎らしい嫁には食べさせるなという姑の嫁いびりの意味でよく使われます。 しかし、秋茄子は体を冷やすので毒であること、あるいは、この時期のナスは種子が少ないことから子供ができにくくなると縁起を担ぎ、 大切な嫁に食べさせてはいけないという嫁思いの気持ちを込めたことわざという説もあります。さて真実はいかに?
ナスの原産地はインドで、現在世界では約1000種類のナスが食べられ、日本でも180種以上のナスが育てられています。


■消化器系全般の炎症に有効

ナスにはプロテアーゼインヒビターが含まれています。この物質には、発癌物質が体内で働かないようにする作用があることが証明されています。 しかし、なんといってもプロテアーゼインヒビターの大きな特徴は、炎症を鎮めることです。 その効果は口から腸まで消化器系全般に及びます。特にナスには、口内の温度を下げるとともに、粘膜にできた潰瘍を治す働きがあるため、口内炎に対して有効です。 またナスは、神経の興奮を抑えたり、神経痛や関節炎の痛みを鎮めたりするのにも、優れた効き目を発揮します。
ナスは94%が水分ですが、水分を除けば糖質が主体です。 食物繊維も比較的多く含まれており、 少ないながらビタミンや無機質が存在しているのもナスの魅力です。 このうち、ビタミンEは、 血液が凝集するのを抑え、血栓を防ぎます。また、高血圧にも有効です。 さらに、体内の脂肪が酸性化するのを抑制し、老化防止にも一役買っています。 そのほか、ナスに含まれているビタミンC、 インドール化合物などは、糖尿病にも役立ちます。 ナスの鮮やかな紫色はナスニン、ヒヤシンなどのアントシアニジン系色素によるものです。 中でもナスニンには血管をきれいにし、動脈硬化を予防、治療する働きが知られています。 ナスニンの癌抑制作用も見逃せません。これはナスニンに活性酸素 の発生を抑制する強い作用があるからです。 最近では、エイズウイルス(H-V)の変性・発育を抑制する物質がナスに備わっている可能性が高まり、その解明が進んでいます。


■口内炎を撃退する、ナスを使った調理法

▼口内炎に
一度煮たナスを冷蔵庫に入れ、冷やしてから食べる。こうすることにより、炎症を抑える効果が増す。

▼口内炎に
よく実の入ったナスをアルミホイルで包み、黒くなるまで蒸し焼きにする。 黒焼きになったナスを取り出し、ほぐしてハチミツを加えながら練る。 出来上がったものを口の中に入れ、しばらくの間含んでいて適当なところで飲み下す。 これを時間を置いて繰り返す。

■血管の柔軟性を保ち、出血を予防する効果も

中国では長い間の経験から、ナスには「熱を冷ます」「血液の停滞を失くす」「痛みを止める」「尿の出をよくする」「腫れを治す」 などの作用があることがわかっていました。口内炎はもちろん、口角炎、乳房の痛み、腹痛、下痢、関節炎、肝炎、神経痛、内痔の出血、 直腸の出血、おでき、咳によるのどの痛み、排尿の促進などにナスが広く使われてきました。 最近の研究により、これらの働きについて裏付けが取れたり、また、新しい治療の方向性も徐々にみえてきています。

▼黄疸が現れた肝炎に
ナス300gを細かく刻み、同量の米と一緒に、水480mlで炊く。毎日食べ、数日間続ける。

▼尿の出が悪いことによるむくみに
ナスを干して、粉末にしたものを1日3回、6gずつ、水または白湯で飲む。

▼おできに
ナスを突いて潰し、酢を加えて、ドロドロになるように練る。 これをリント布(ネルでできた布)に延ばして患部に貼る。

▼口角炎に
ナスのヘタを黒焼きにし、粉末にしたものをそのまま患部に塗る。